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インド・マドラス大学犯罪学科の短期日本研修を受け入れました


4.質の高い教育をみんなに

16.平和と公正をすべての人に

17.パートナーシップで目標を達成しよう

常磐大学が学術連携協定を締結するインド・マドラス大学犯罪学科から、犯罪学科長のM. Srinivasan教授の引率のもと、短期日本研修プログラムに参加する修士課程9名、博士課程に在籍する社会人研究生1名、計10名を本学に迎え、3月17日から24日まで、犯罪学に関連する講義や関連機関視察などを含む1週間のプログラムを提供しました。

研修を引率したM・Srinivasan教授から富田学長に記念品が手渡されました。

到着翌日の3月18日は、大子・袋田方面に遠足。19日には、受入学生が滞在する国際交流会館(国際寮)で、本学学生と交換留学生が共同で作った“日本式”カレーでウェルカムパーティーを行いました。

冷たい雨が降る中で袋田の滝を見学。摂氏15度以下を体験したことのない南インドの学生には、「これも日本ならではの体験」。

国際寮でのウェルカムパーティー。“日本式“カレーが、思いのほか好評で、共同生活開始の不安と緊張も一気にほぐれました。

3月20日から本格的にプログラムが始動。開講式のあと、茨城県警察本部、水戸駅南口交番を視察。翌21日には、本学の3名の教員が講義を提供しました。最初の講義は、総合政策学部法律行政学科の千手正治教授が担当。日本の刑法の特徴と、犯罪被害者に関連する法律や制度を紹介しました。

2つ目の講義では、人間科学部心理学科の寺村堅志教授が、法務省での長年のキャリアを土台に、日本の矯正制度の全体像を俯瞰し、再犯防止や犯罪者の更生に焦点を当てるプログラム、また、少年の更生施設の特徴や保護司制度などを紹介しました。

3つ目の講義は、総合政策学部法律行政学科の山梨光輝助教が担当。犯罪学の学問的な潮流と日本の研究者の課題を“犯罪からの離脱”研究に着目して紹介しました。将来公務員や研究者を目指す参加学生は、どの講義でも熱心にメモをとり、講義後の質疑応答・意見交換のセッションにも積極的に参加しました。

日本発祥といわれる交番制度。水戸市内で最も忙しいといわれる水戸駅南口交番を視察。勤務体制や頻回の対応業務などに関心が集まりました。

千手教授は、犯罪被害者の刑事手続きへの参加制度についても紹介。刑事手続き中の被害者保護の方法にも質問が相次ぎました。

寺村教授は、再犯防止に力を入れる日本の矯正制度を多角的に説明。高齢犯罪者の処遇や再犯防止プログラムにも、質問が寄せられました。

山梨教授は、「犯罪からの離脱」研究の世界的動向と日本の現状を紹介。日本の研究者が直面している課題と、新しい研究領域を提示しました。

3月22日には、元本学教授の小柳武氏が、日本における薬物犯罪の動向や受刑者の処遇について講義。その後、小柳氏の同行で、水戸刑務所と水府学院(少年院)を訪問し、矯正施設での生活や、提供される更生プログラムについて詳しい説明を受けました。

23日には、児童虐待への対応について、茨城県中央児童相談所の高橋活夫氏が講話。続いて、犯罪被害者やDV・性暴力被害者への支援について、公益社団法人いばらき被害者支援センターの森田ひろみ氏、またNPO法人ウィメンズネット「らいず」が講話を行いました。

水戸刑務所の管理棟で、施設見学前に、水戸刑務所の歴史や受刑者の特徴についてレクチャー。

水戸刑務所管理棟の正面玄関で集合写真

その夕方には、講義を担当した本学教員も出席し修了式を実施。その日が水戸滞在最後となることから、マドラス大学の学生が、国際交流会館の寮生や国際センターサポーターの学生にお礼をしたい、と、お手製の“インド式”カレーでおもてなし。水戸での最後の時間を名残惜しく過ごしました。

24日には、本学学生の見送りを受け水戸を離れ、東京都昭島市にある「国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)」を視察。アジア諸国の刑事司法の専門家を対象に研修プログラムを提供している同機関が、アジア諸国の司法制度の整備に果たしてきた役割と貢献に触れました。

東京での2泊滞在を終え、研修参加者は3月26日にインドへ帰国。短期日程ながら、本学学生との交流も深めることができました。研修受入にご協力をいただきました学内外の関係者の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。

マドラス大学学生手作りの“インド式”カレー(辛さ控えめ)に、本学の学生も留学生も舌鼓。

東京へ出発するバスを見送りに来た国際交流会館の寮生、留学生等と記念撮影。

UNAFEIの国際会議場での最後の記念撮影。法務省時代にUNAFEIで教鞭を執っていた小柳武氏の仲介で、年度末ながら視察が実現しました。