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法律行政学科ニュース

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山梨ゼミが兵庫・大阪で施設参観を目的とする合宿を行いました


法律行政学科の山梨光貴ゼミナールの4年生7名が、2月上旬、兵庫県と大阪府でゼミナール合宿を行いました。刑務所や少年院といった矯正施設を参観させていただくことが目的です。今回は、学生の関心が特に高かった、元PFI刑務所の播磨社会復帰促進センター(兵庫県加古川市)と、日本で最も歴史のある少年院のひとつである浪速少年院(大阪府茨木市)を訪れました。

ゼミナール合宿を実施するにあたっては、秋セメスター開始時から、学生たちが「どの施設」で「どのようなことを知りたいのか」を話し合うなど、準備を重ねてきました。結果、再犯防止や少年法についての関心が高い学生が多かったことから、(元)PFI刑務所と少年院の設備や取組みを実際に見聞きしたいということでまとまりました。

PFI刑務所とは、刑務所の管理・運営や自由刑の執行にまつわる業務の一部を民間企業に委託している官民協働による刑務所で、一般に「社会復帰促進センター」という名称で知られています。民間企業のノウハウとアイデアが取り入れられることで、職業訓練や教育プログラムなどの矯正処遇において、一般の刑務所よりも多種多様でユニークな取り組みが積極的に行われていることが特徴のひとつです。

播磨社会復帰促進センター前にて

実のところ、播磨社会復帰促進センターは2022年3月31日に15年間のPFI事業契約が期間満了を迎えており、参観時には「元」PFI刑務所となっていました。しかし、同年4月1日からは、民間委託に関する新たな事業がスタートしており、引き続き、民間企業との協働態勢が構築されています。参観時には、実際に受刑者の方々が職業訓練を行う工場を見せていただきながら、PFI事業終了後の矯正処遇の内容などについても教えていただくことができました。
少年院は、非行を行った20歳未満の少年を収容して、個々の少年の「特性に応じた適切な矯正教育その他の在院者の健全な育成に資する処遇を行う」施設です(少年院法1条)。「少年用の刑務所」のようなイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、実際は、施設の中での生活も、施設そのものの雰囲気も、刑務所とは大きく異なっています。実際、浪速少年院の院内を見せていただいたときには、播磨社会復帰促進センターのセンター内とのちがいに、学生たちは大変驚いていました。
浪速少年院は、わが国で最初に設立された少年院のひとつで、非行少年たちの矯正教育ひいては立ち直り支援についてのノウハウと知見が蓄積されているだけでなく、地域との広範かつ強固なネットワークをもっているのも特徴です。浪速少年院の現状について教えていただく中で、新型コロナウイルスの影響によって少年たちと地域住民の方々が関わる機会を減らさざるをえなくなってしまっていることへのもどかしさとともに、これからも社会との関係性を絶やさないという意気込みをうかがうことができました。

浪速少年院前にて

播磨社会復帰促進センターと浪速少年院の両施設に共通していたのは、民間企業を含む地域社会の人たちと共に、罪を犯した人たちの社会復帰に向き合っているということでした。罪を犯した人たちの社会復帰に対し、地域社会に暮らす私たちは、どのように向き合うべきか。矯正施設と地域社会を結びつけるために、私たち大学はどのような役割を果たすべきか。大きな宿題をいただきました。

山梨ゼミでは、今後も、関連施設への参観などを通して、社会安全分野に関する学びを深めていきたいと思います。

最後になりましたが、新型コロナウイルスの感染状況も予断を許さない、大変お忙しいところを、私たちの参観にご対応いただきました、播磨社会復帰促進センター、浪速少年院、両施設の関係者の皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。


≪施設参観を終えた学生の声(一部抜粋)≫
「播磨社会復帰促進センターでは、受刑者の方々の更生プログラムの違いや、地域との関わりについて、学べました。一方で、都市からは離れた場所にあったりと、受刑者の方々にとっては『過酷な』生活であるようにも感じました。」(Oさん)
「播磨社会復帰促進センターでは、受刑者の方々が社会に出てから使える職業訓練を通して資格取得を目指していることがわかりました。また、施設の中はとても綺麗で、中規模の大きさと仰っていましたがとても広くて驚きました。」(Fさん)
「播磨社会復帰促進センターでは、施設がとても広く、すごく綺麗にされていると感じました。また、実際に収容者の部屋分けなど質疑応答の際に実際の現場の様子について理解することが出来、とても充実した参観になりました。」(Oさん)
「浪速少年院では、最初は刑務所とあまり変わらないのではないかと思っていたのですが実際に施設見学をして周りはフェンスに囲まれていますが普通の学校と変わらないんだなという印象を受けました。」(Fさん)
「浪速少年院では、施設の方の雰囲気が播磨の時とは変わって、少し柔らかいという印象を持った。施設内も、ただの鉄格子ではなく、丸みを持ったデザインだったり、私たちが知っている学校のような環境だった。」(Mさん)
「浪速少年院は、施設の中は思っていたよりもきれいで、様々な設備が整っており、コロナ対策なども行われていたことから、かなり良い環境で、矯正教育が行われているということを、施設を見学してみて、一番に思った。また、少年法が改正されたことにより、特定少年向けの矯正教育も行われているということで、時代の流れに合わせた教育が行われているということが分かった。」(Kさん)