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2019年7月29日 総合

心理臨床センター主催、公開講演会を開催しました

常磐大学心理臨床センター主催 第27回公開講演会
~あらためて認知症って何?~

常磐大学心理臨床センター主催による第27回公開講演会が、7月21日に開催されました。講師としてお招きしたのは、筑波大学附属病院茨城県地域臨床教育センター精神科教授の佐藤晋爾先生。『あらためて認知症って何?』というタイトルで、認知症の種類や予防についてなど、認知症に対する知識を深める講演を行っていただきました。

認知症は非常に身近な症状の一つで、わが国における65歳以上の認知症患者数は約462万人と言われています。一般的には物忘れが代表的な症例と考えられていますが、それだけではありません。いったん獲得された知的能力の低下や記憶障害以外の複数の認知機能障害で、生活に支障をきたす状態が認知症です。また、物忘れにも健康な物忘れと病的な物忘れがあります。例えば昨晩の食事の内容を思い出せないのは健康な物忘れ、食事したこと自体を思い出せないのが病的な物忘れ。つまり物忘れイコール認知症ではなく、物忘れ以外の症状である、判断力、注意力、集中力の低下なども認知症の重要な症状になります。

佐藤先生は、認知症を引き起こす原因で分類される「アルツハイマー型認知症」や「レビー小体型認知症」、「前頭側頭型認知症」など様々な認知症の種類を紹介するとともに、認知症のメカニズムを脳医学の見地からも解説。さらに、精神科医がどのように認知症を診断しているのか、また認知症患者の心理状態にも言及し、自分が認知症ではないか不安を抱えている方や、身近に認知症患者がいる方などにもとても役に立つ内容となりました。

認知症は年齢が上がるにつれて発症しやすくなる病気なので、予防に努めることが第一となります。佐藤先生は様々な予防法の中でも「効果的なのは、生活のリズムを整え、適度に運動をしながら、身体を健康的に保つこと」が重要だと会場に呼びかけていました。

公開講演会

公開講演会

講師|佐藤晋爾(さとう・しんじ)先生
筑波大学附属病院茨城県地域臨床教育センター精神科教授、茨城県立中央病院精神科部長兼任。公認心理師、臨床心理士。
略歴|1995年筑波大学医学専門学群卒業。以降、総合病院精神科、大学病院精神科などに勤務。2017年から現職。
主な著書|『日常診療に必要な認知症症候学』(分担執筆、新興医学出版社)、『こころの治療薬ハンドブック』(分担執筆、星和書店)など。