大学往来 

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2000/08/20(日)喫茶店

大学に喫茶店はつきものだったものだが、最近では喫茶店はちょっとした危機を迎えているようだ。大学の近くではなく自宅の近くの喫茶店の話。

今朝はひさしぶりにカルディーという喫茶店に「モーニングサービス」目当てに行った(丸井ビルの一階にある)。柏ではもうだいぶ前に店をたたんでしまった「シティ」という喫茶店が一番気に入っていた。はやらなくて店を閉めたのではなく、お子さんも独立されて、一人で(アルバイト1名と)店をやるには少々疲れるようになった、というのが閉店の理由のようであった。

シティというのはたぶんコーヒー豆の焙煎の程度を現す言葉からとったものだと思う。10人もはいれないほどの小さい店だったが、コーヒーは一級品だった。コーヒーのあまり好きではない人でもお代わりすることもあった。シティが健在のころはもっぱらこちらに通っていた。朝8時半ごろが開店時間だったのだが、一度店主が遅刻をしたことがあって、店の前で店主がやってくるのを待ったこともあったくらいだ。

閉店になってからは、やはり10人ほどで満員になってしまうカルディにときどき通っていたのだが、しばらくの間全く行かなくなっていた。カルディの店の真ん前は比較的大きい地元の古い喫茶店だったのだが、最近になってこちらも閉店してしまい、かわって軽食喫茶の大手チェーン店が開店した。大手チェーン店はなにしろメニュー豊富でどうやらかなり安いようなので、ちょっと心配にもなったのである。

しかし客の入りは以前とあまりかわない様子だった。それでも「競争」のせいかモーニングサービスのメニューの種類が増えていた。ブレンドコーヒーの味は銀座パウリスタ系のようだ。ご主人は焼き物に造詣深い様子で、いろいろな「マイ」コーヒーカップが預けてあったり、ちょっとした「作品」も販売されている。


2000/08/19(土)植田正治氏

「アマチュア」写真家と自称されていた植田正治氏が亡くなった(7月4日)。今月の写真雑誌は植田氏の追悼記事が多くでていた。植田氏は山陰の小さな街と景色をフィールドにして独特の映像世界を送り出していた。いまでは植田氏の生まれ故郷に近いところに記念の写真美術館もできている。

写真雑誌やなにかでみなれた故郷の風景がおもいがけないモダンな「作品」として掲載されているのを見たのはちょっとした驚きだった。私が写真に興味を持ち始めたきっかけとして、直接このような写真の影響を受けたという記憶はないのであるが。

写真雑誌に掲載される「地方」在住の写真家として植田正治氏と緑川洋一氏(瀬戸内の「逆光」風景写真にあこがれた。一方植田氏のほうは「順光」)をよく覚えている。いまから考えるとどちらもあまりにも美しすぎるほどの風景写真なのだが。

植田氏の作品のうちデザイン的なシュールな感じのする「純文学」写真はだれでも撮れそうなのだが、まねすることもできない。植田氏の作品では「童暦」や植田氏の奥さんをモデルにした写真が良いと思う。植田氏の写真からは私の育った山陰の様子を想起させるものがあって、最近では特に見覚えのある懐かしい風景という感じがする。今月号のアサヒカメラの「写真を語る」欄には「山陰を訪れたら、植田氏の写真そのままの世界があった」という意味のことを述べた人があった。しかし、それは、そこに住むものにはなかなか見ることができない風景なのである、と思う。

いまをときめく天才アラーキー氏とは「下駄屋のせがれ同士」で懇意な間がらだったそうだ。撮れそうで撮れない、見えていそうで見えていない、そんな写真の世界を作り出したという点で共通するものがあるのだろう。アラーキー氏の亡くなった奥さんをモデルにした写真はどことなく植田氏の作品に共通するものがあるなあ、などと思う。

アサヒカメラでの最後の作品は「雲のうつくしい日に」というタイトルで、山陰の表情豊かな空を写したものだった。


2000/08/16(水)「アメリカの心理学者心理学教育を語る」

近所の本やで「アメリカの心理学者 心理学教育を語る」(北大路書房)を買う。編著者は高名な心理学者(R. J. スタンバーグ)で、米国での心理学教育に実績のある11名が「一般心理学」(あるいは「心理学入門」)の教育について語っている。エンジン界でもおなじみの方々が翻訳の労をとられている。翻訳はメーリングリストでのやりとりが発端になって、実現されたということだ。

大学における「教育」に関心が高まっている時期でもある。「教育」について考えた本だというところが目新しい。

まだ最初の方を読んでいるところ。私自身は「一般心理学」や「心理学入門」は担当したことがないのだが、提唱されているtipsには偶然か、かれらの書いた教科書の影響を受けているのか、共感・共通するものも多かった。今後の授業のチェックリストに加えるべきものも多く参考になりそうだ。


2000/08/15(火)答えにくいメール

ときどき知らない方から大学のことなどについて問い合わせのメールをもらうことがある。しかし、なかにはどのような事について知りたいのか、わからないメールもある。

授業関係の質問も大歓迎なのだが、ある院生からデータ処理についての問い合わせがあったのだが、具体的になにを知りたいのかがよくわからないメールだった。で、その旨返信。なにを知りたいのかはっきり書いてあるメールだとこちらとしても返事がしやすい。

「噂の真相」で田中康夫氏の超「日記」が連載されている。今月号はある大学の学生のネットワーク利用実態にふれているところがあった。たいしたことではないのだが、レポートを「添付」でといって通じなかった話。まあ、たしかにいまどき、という気もする。大学・学部間での差も大きくなっているのだろう。しかし、レポートなど教務関係の事務処理をネットワークでやるには「体制」が整わないと面倒なことも起こりうる(と、ついつい考えてしまうのはトシのせいか)。


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