大学往来 

■大学往来インデックス


2000/12/3(日)勘違い

学会準備はなんとか目処がついた、と思う。ただ、途中で他の論文との比較するためのデータ処理の方法を間違えていたところがあることに気が付いて、焦った。なさけないことに、この種のまちがいはせっぱつまってこないと気が付かない。とほほであるが、小修正ですむ。

一方、院生のB君からメールで修論のデータ処理の相談。こちらも状況によってはトホホな状態におちいるか。データなど具体的にメールでしらせてくれればある程度返事ができるが、不明な点があるので、明日大学で、ということで。あのようなデータは扱った経験がないので、解決できるかどうかわからない。統計的な事後処理はいろいろむずかしい。でもどのようにデータを整理して結果を示すかは、ある程度最初に考えておくのがホンマよろしおますなあ。

自宅集合住宅のケーブルテレビ工事がはじまった。工事日程の希望書を回収にきた方にネットワークサービスのことを聞いたのだが、立ち話であったためもあり、配線の仕方等具体的に聞くことができなかった。NTTのISDNのADSL化がいつになるのかにもよるが(ケーブルテレビ地域はサービス開始が遅れるなんていう噂もあるようだ)、電話番号やなにかの問題がなければとりあえず契約してもよいかなあ。

卒業生のWさんから就職がきまったというメールがあった。ゼミの学生でもなかったのだが、ときどき近況など連絡してきてくれる。私が彼女の年頃だった頃と比較して、彼女は本当にしっかりしているなあ、と思う。


2000/12/1(金)電話

今日は来週の学会発表の準備で発表用資料をつくる。なんとか今週中までに。

TK大N先生から電話で、体調をくずされていたが退院間近である、とのことだった。私にとっては心理学の大先輩でもあり、社会、特に産業界への心理学の応用についてはパイオニアのお一人であり、いろいろ教わるところの多い先生である。無理をされないように、としか答えることができなかった。先生の分野の仕事は非常に大切なものだし、せめて一つは私もその分野の仕事をして先生に報告したいと考えているのであるが、先生には私の行動は不可解に写っていることだろうと思う。

家にあったクロワッサン(12月10日号、たぶんいま出ている号)に辰巳芳子氏の「スープ日乗」を偶然発見。このところ寒くなったせいか数日前からなにかスープをつくろうと思っていたところだった。だしが和風の「鱈とじゃが芋のブイヤベース」の作り方がのっていた。なんだかすごくうまそうだったので、まねてつくってみた。(辰巳氏にはしかられそうだが)だしは簡単にキューブで。で、手抜きもいいとこだが、結果はすごくうまくいった。


2000/11/30(木)不本意

午前中、知覚心理学。今日から味覚と嗅覚、食行動の単元なのだが、来週再来週と私事と学会で休講にしなければいけないので、やや駆け足で。今年は木曜日の授業が1月にはいってからも大学の行事等があり、授業回数が不足する。変則的ではあるが、試験後に補講ということになりそうだ。味覚・嗅覚はテキストなどでもあまり取り上げられていないが、おもしろい単元である。産業界ではいろいろな研究がおこなわれている。心理学出身のヒトも活躍している分野でもある。講義では関連して食行動も取り上げている。食行動はもっとも基本的なものであるし、ダイエットなど身近な話題でもあるからだ。

午後からおくれているレポート採点をすこし済ませた。卒論相談はきょうは3名。

すでに一次希望者については所属が決定済みなのであるが、ゼミの2次希望者の面接をする。ゼミでは実験や調査を行うことが基本であるから、人数によってはわたしの側の対応が不十分になる可能性が高いため採否について悩んでいる。

ゼミは「必修」であることと、やはりある程度少人数であることが必要であるから、どうしても希望するゼミに所属することができない学生が出てくる。少数であるとはいえ、この点は制度的な問題であると思う。私は個人的にはゼミ・卒論の単位は(必修ではなく)選択制が学生・教員双方にとって望ましいと考えている。

それはともかく、「不本意」なゼミ選択になってしまったと思っている学生諸君。そのことを決して忘れず、言い訳にせず、立派な卒論を書いてください。2年間はくさっているには長すぎる貴重な時間だ。若い人よ。


2000/11/29(水)あわただしい一日の光景

午前中はあたらしく仕入れた授業用の話題のOHPなどを作る。卒論実験のデータ処理について相談。図書館で文献コピー。午後から院・適応学。きょうは痛み感覚について。医療にもっともかかわりの深い話題かもしれない。痛覚についての心理尺度構成の話と実験心理学的な研究を紹介。授業の後、2年生が実習について質問にきたのと、院生H君が、昨日の統計処理についての文献を受け取りにくる。昨晩この処理をSPSSでいろいろ試していたのだが、データの指定の仕方がよくわからないところがあった。またまたわかりにくいマニュアルだなあと少々腹立たしい。つづいて、4年生のJ君の卒論につての相談。このところこのように授業と学生の相談などでたちまち夕方になる。あわただしくもあり、自分の時間がとれないことが痛いのだが、これが仕事ということなのだろう。

きのうはすごい光景を目撃してしまった。夜、柏駅から自宅へ帰るときに高島屋の横を通るのだが、入り口にちいさい待合い室のようなところがある。そこに、トシ若いカップルの姿があった。なんだか様子が変だと感じてそちらを見ると、椅子にすわっている女性の斜め前付近に男性はなんと両膝をおってひざまづいてた姿勢のまま、うつむいてしょんぼりしている。女性は「私はしらん」という表情である。デパートの入り口で人通りも多いところ。いったいなにがあったのだろう。事情は知る由もないが、あれはTATの図版にもなるなあ。


2000/11/28(火)繰り返し

午前中、院・研究法。今日は多重比較の話。午後から学部・研究法。こちらはもう一度「一元配置の分散分析」の説明をしてからSPSS実習。ある程度理解できるまでは、無駄なようでも「考え方」の説明、「データ例」、「検定結果」これの繰り返ししかない。繰り返しの順番については心理学の研究データ例を最初に提示することが良い方法であるように思う。ただし、実際の印象深いデータが一番良いのだが、統計の仕組みそのものの説明にはモデルにあう人工的なデータの方が都合がよいことが多い。それで、実際のデータ、人工データで説明、人工データで実習、実際データで実習という方法がよいと思う。

うづいて院・特別研究。きょうは修論のデータ処理についての相談。私の知らない方法が出てきて、調べてからということで、夕刻に概略と文献をメールで連絡。アンケート調査関係の本を見たところすぐにわかったのではあるが。

先日見学にいったT香料のNさんからメール。官能検査学会が開催されたということで、それの話。今年は残念ながら心理部門の参加がなかったということだ。なんとか心理・行動的な研究を発表できるようにしたいものだと思う。実はこの学会には私も一度(学会になる前だったような記憶があるが)発表したことがあった。最近学会になったということで、加入申し込み先のメールアドレス(TN大学)を聞いて申し込んだのだがどういうわけか返事がない、という状態でそのままになってしまっている。こちらが先決か。


2000/11/27(月)資格

午後から実験実習。実験実習1、2ともあたらしいグループへ。実習1はマッカロー効果。順応中眠気を防止するために音楽や話をしている。今回のグループはいろいろな話がでた。ちょっと古い音楽をかけていたせいか、音楽の話になった。音楽の話では若い世代もビートルズを聞くということだ。わたしは最近の音楽シーンはぜんぜんわからずほとんど同じように聞こえてしまう。今回のグループは順応の結果がかなり明瞭に経験できたようすをうかがうことができた。マッカロー効果が「見える」ときに、非常に驚いている様子であった。このあたりの「反応」は実験グループ毎に「グループ差」がみられておもしろい。

実験実習2は前回グループまで使用した「民族衣装」ではどうも結果がクリアーでなかったのと、「好み」の解釈はなかなか難しい面があることがわかり、今回から対象を心理検査の質問文に変更した。因子的妥当性の高いMPIの質問項目を使うことにした。結果の解釈など理解しやすいと思われる。ただし、被験者数の問題はあいかわらず残るのであるが。

検索サイトは最近話題のwww.google.com/intl/jp/をすこし試してみた。他の全文検索サイトでは無関係なサイトがずらずら表示されて使いずらいが、googleでは、単純な検索語の組み合わせで的確な検索ができるようだ。

やっと、「報じられない臨床心理士の幻想」(週刊・朝日、2000.12.1、P.163-165)を読む。期待していたほど掘り下げられたものではなかったが、問題点にはおおむね触れられている。わたしが一番問題だと感じているのは「一協会」にこのような公的な権限を付与しようとしている、ということである。また、その団体の「会頭」は文部省のお役人の「天下り」であることも、心配の種だ。私には、「臨床心理士」の資格を本当の意味で公的なものにすることと、なによりも業務の内容と技量を明らかにして、その責任(と罰則)を明確に定める法的な整備が必要とされているように思える。


 

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