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2000/12/19(火)台北・会議初日(12/13)・茶藝店

朝8時からオープニングセレモニー。最初に佐藤先生のオープニングアドレス。日本文化の分析。ただし、このような分析は語源の解釈みたいなことになりかねないようにも思う。名人は危うきに遊ぶのたとえか。このときでた「内・外」の分析が受けて、いろいろな会話の中でやたらウチ、ソトと引用されていた。個体の分析からスタートした行動分析であるが、個の行動の分布の問題が問われているように思う。

次のハルゼム先生も文化の問題。途中開会のセレモニーに間に合わなかった台北市長(馬氏)によって一時中断。市長は非常に流ちょうでわかりやすい英語で印象的な挨拶をされた。遅刻の理由やこの会議を後援するにいたった経過、台湾の諸問題(禁煙関係の問題)などをはなされた。若々しく、ノーブルで(イヤーオブザドラゴンラストエンペラーに出演していた中国人の俳優、名前を思い出せないのだが、をソフトにした感じで)有能な印象で、しかも暖かみと誠実さを感じさせる。どこかの国ではお目にかかれないタイプの政治家のように見受けられた。現在は野党の国民党の政治家だが、将来は台湾を代表する政治家になるのかもしれないヒトだなあ。大変人気もあるようだ。

今日のセッションではブラッドショウ氏(英国)の選択行動についての発表が一番おもしろかった。生理・薬理学との「学際」的な研究である。これを聞いていて、行動についての法則性がきちんととらえられていることの重要性を改めて感じた。

と、ここまで聞いた内容に限れば行動の基礎的な研究の将来は「文化」の問題か「生物」の問題に向かおうとしているようにも思えた。

 ■茶藝店のおじいさん

午後のセッションが終わり、レセプションまでの空き時間にホテル内にある茶藝店を見に行った。中国茶や茶器に品揃えが豊富である。中国茶を売っているところでは試しにお茶を飲ませてくれるところが多いが、この店でも店のおじいさんが堪能な日本語でお茶をすすめてくれた。中国茶の入れ方や品質などについて日本語でいろいろ教えてくれる。

台湾産のウーロン茶の特徴は澄んだ黄金色をしていて、苦みがなく、香りがよいということだ。大陸産のウーロン茶は文字通り茶色がかった色をしている。機械摘みなどで、葉っぱが割れると苦みがでるので、上等なものは手摘みで、先の双葉を摘んでいくということだ。出涸らしになった茶葉を見せてもらうとたしかに2枚の葉っぱがほぼ完全な形で残っている。

入れる前のウーロン茶は6〜7ミリの球状で、緑色がかった褐色である。これも(大陸産の)ウーロン茶と違うところのようだ。品質のよいお茶は潮風のとどかない高地で、霧に守られるところでとれるということだ。産地で有名な阿里山はこれらの条件を満たしているとのことだった。

いいお茶だと10回ほども飲めるので高くはないのかもしれない。葉っぱが完全に開くほどまで飲める。たぶんこの店はかなり値段が高いのだろうし(なにしろ圓山大飯店は台湾を代表するホテルだ)、「相場」もわからなかったのだが、帰国まえにまた寄りますからということで夜のレセプションへ。

一番つみの一番上等のもので100グラム数万円ということだが、値段はともかくとしても、たぶん手に入らないだろう。いくつか試飲させてもらった感じでは100グラム800圓(3000円くらい、手摘みのものはこのあたりからということだ)のもので十分だと感じた。三日目の夜(会議二日目の夜)に、参加していたP大学の学生さんお二人に案内してもらい市内のデパートで試飲させてもらった。これが実に初めての外出(このあと土林夜市へいった。このナイトマーケットは台湾の名物。ここの話はあらためて。)同じ値段だと圓山大飯店の店の方が品質が良いように思えた。

■レセプション

P大学の院生の方と学部の学生と一緒になりいろいろ話した。宴もたけなわで台湾側の方が歌をうたい、s先生も古い歌を歌われ、喝采を浴びていた。さらに師範学院の学生も(会議の受付やなにかで手伝っていた)コーラスで。われわれはこのあたりでそれぞれ部屋へ戻った。


 

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