大学往来 

■大学往来インデックス


2001/02/04(日)新規開店

柏に越してきて最初にセントラル・スポーツクラブというのに入った。自宅からごく近くて便利だったのだが、柏の駅近くで地の利がよいと考えられたか、バブル期の終わりごろに取り壊されてしまった。それで別のスポーツクラブに加入したが、なんとそこも途中で経営難のためか廃止になってしまい松竹系のミニシアターへ衣替えになった。そこからさらに別の(今通っているスポーツクラブ、歩いて15分ほど)へと転々とした。ところが最近になって、最初のスポーツクラブが同じ場所で再開するということになった。しばらく駐車場になっていた跡地にもビルが建て直され、5月ごろには再開の見込みになった。それで、ごく近所なのでこちらに加入し直そうかと考えているが、なんだか資源の無駄という感じだ。

新規開店といえば、柏の喫茶店(コーヒショップ)でときどき立ち寄った「カルディ」(丸井ビル一階)という小さい喫茶店が改装して、新しく「ほへ」だか「へほ」だか、というおもしろい名前で開店した。以前は焼き物に趣味のあるらしい店主がやっていたのだが、代替わりしたらしく、こんどの店主はすこし若返った。メニューもほぼ同じ。コーヒーもほぼ同じで、味もほぼ同じでおいしいものだ。しかし、コーヒーというのは不思議なもので前の店主が入れるものの方がおいしかったように思う。この店の向かいにはチェーン店の軽食レストランはできるし、同じビルにはスターバックスまでできるという始末でなかなか難しい環境にあるのだが、昔風のコーヒーショップが無くなっていくのは寂しいことなのでなんとか切り抜けてほしいものだと思う。

2年間つかったノートパソコンを売ることにした。今回はソフマップの引き取りサービスを利用してみることにした。インターネットのページで申し込み、メールで確認という手順になっている。指定時間に宅配業者が引き取りに来てくれる。資源を無駄遣いしているように感じてしまうが、もしかして中古市場で再び使う人が現れるかもしれないから、と考えることにしている。


2001/02/03(土)またまたウイルス

またまたウイルス警告(TROJ_HYBRIS.B in file xxx.EXE)があった。大学のメールサーバはプロテクトされているが、ウイルスは削除できなかったらしく、ファイル毎削除されていた。差出人、サイト名も削除されていて不明。現在はよく防御しているが、防御を破られる可能性はゼロではない。PC系のウイルスが多いようなのでインターネット端末は、マックにしておく方が多少は安全なのかなあ。


2001/02/02(金)オフ会議

午後からプール。水泳用のゴーグルを買う。かなり前に買っていたものを使っていたのだが、バンドを強く留めても水が入ってくるようになったので。最近はいろいろなタイプのものが発売されている。スポーツクラブで買ったのだが、たまたま昨年買った「浮き浮き」水着のメーカ製だった(フットマーク社、墨田区にある会社でプール用品ではかなりのシェアがあるらしい)。あたらしいゴーグルはきわめて快調で、バンドをゆるめに締めてもぴったり顔について全く浸水なしである。

情報処理教育(古い呼び方になった)関係の「オンライン委員会」に、授業の目標を具体的に設定するように考えようという趣旨のメールを書いた。委員長のA教授の方針で、ほとんど委員会(ネット風に言うと「オフ会議」)を開かず、メールで連絡をしている。必要な連絡はメールで済んでいるから、昼休みなどにちょっと顔を合わせたときに確認したり、あたらしい提案の話がスムーズにできるのである。委員会の仕事の性質によってこのような形式で済むところばかりではないとは思うが。


2001/02/01(木)秋セメスター終了

午前中、知覚心理学特講の補講。出席はよくないが、「知覚の拡大」について多少の展望。午後から五月雨式に卒論のレジメの最終確認などに学生がくる。レジメを読むとその内容をよく理解しているか、「とりくみかた」などよくわかる。これは卒論発表会での発表も同様である。短い文ほど難しいということがわかっただろうか。

午後、成績表の入力チェック。成績はマークシートで提出するが、誤り無く入力されている。成績確認書・出席簿を学務へ提出して、ともかく授業関係については秋セメスターは終了した。

研究室で使っているPowerMac7600/200の動作がどうもやはり遅く感じるようになってきたので、実験室で使用頻度のおちていたPower Mac G3/233と交換するべくすこしづつソフト類を移動している。数年前に研究室に入ったものだが、その時はあまり速度の差を感じなかったのだが、こうして2台ならべて比べてみると旧式のG3ではあるがやはり7600よりは早い。ハードディスクは4メガで、今日的水準とは一桁ちがう。次年度でリース期間がおわるマックが数台ある。ここ一年の様子をみて更新すべきかどうか決めなければならない。


2001/01/31(水)成績判定

午後から実験実習担当者連絡会で今年度の成績判定。非常勤も含めると担当者6名。この6名がそれぞれ春・秋セメスターで一つの課題を行う。学生は6グループに分かれて2週間のサイクルで順次異なる課題に取り組む。このようにして、学生個人個人は年間で12のレポートを提出することになる。

成績評定は各担当者が春・秋セメスターの二つのレポートの評点を総合して学生個人個人の評定点を決定し、それをもちよる。この担当者6名分の評定を総合して最終成績を決定している。

担当した課題についての成績評定の分布は各担当者にまかされている。課題が異なるので担当者間の比較は無意味だが、6名分を一覧にしてみると、評定点には毎年よい相関が見られる。今年度一番おおきな食い違いがあったのは、私の課題でAをつけたある学生についてで、私以外の課題の得点はほとんどC、というものだった。このような学生は総合点システムでは良い成績をおさめることができないのであるが、彼にマッチした分野と出会うことができれば自力を発揮できる可能性があることを感ずるのである。

最近のある日、学内で聞いた会話。「センセイ、さよーなら」「ああ、A 君、来年がんばってね」「ええええ〜まじっすかあああ〜」。ああなんて健全な関係なんだろう。

先日「色彩検定」に合格したとうれしそうに学生が報告にやってきた。身近かな目的をもつことは大事なことだなあと思う。

寒中見舞いをやっと書く。立春になってしまうなあ。来年のことを言うと、鬼に笑われるそうだし、厚かましいお願いであるが、来年もし年賀状かいてやろうと思っている方にはぜひeメールでお願いします。しかし、年賀状とeメールと二系統になり、かえって余計な手間をかけてしまうのかもしれないとも思う。


2001/01/30(火)「おわりよければ」・レポート課題・信者

最後の実験グループのレポート採点。担当者間で総合成績を決定しなければいけない上に、成績評価締め切りが間近なため明日が担当者内での締め切りということで。「おわりよければすべてよし」ということでこの一年の取り組みかたはこの最後のレポートによく反映されているという印象を受ける。親近性効果は意外に強い。

ここ数年は2週で一テーマにしているので以前のレポート課題の半分になっている。これには一週間ではなかなか実験・実習内容をこなせない、ということから変更したものである。実験実習1(2年生)はちょうどよいように感じているが、それでもまだなかなか大変ではあるのだろう。実験実習2(3年生)のレポート提出は翌翌週になっている。じっくり調べモノなのどをする時間的余裕をもてるようにしよう、という趣旨だったが、むしろ慣れてくる3年生では翌週に変更するのが良いかもしれないと思う。内容的にもうすこしじっくりということであれば、現在のサイクル周期を延ばすことも考えられるし、秋セメスターはグループ毎に担当者と相談しながら自発的なテーマで行う、というような方法も考えられる。

「おわりよければすべてよし:ある人生の記録」(森島通夫氏、朝日新聞社)の内容は経済学をめぐるものなのでいろいろな事件の背景や登場人物についてはよく事情がわからない点も多い。しかし、ところどころまったく何の脈絡もないのであるが、「心理学」と言い換えても妙に当てはまるように思えるところもある。

たとえば、イデオロギー(思想・価値感)と学説について、「マルクス主義経済学者」と交わした会話(77ページ)の中で。

「現代の経済学は、各学説の背後にあるイデオロギーを徐々に克服することに成功しつつあり、イデオロギー的に中立になりつつあります。丁度宗教学がどの宗教にも固執しないようにです。そのときに、一つの宗教のみを正しいと仮定して、その宗教の立場から他の宗教を批判したならば、そういう批判で他の宗教の信者を得心させることはまずありません」

(英国の森島先生が所属する大学では担当者がだれであれ)マルクス経済学を取り上げるばあいには、「現代の経済学の水準からみて、マルクスをどう評価するかが講義の焦点になると思います。日本のようにマルクスの城をかまえて、城の中から撃ちまくるという態度はありません」と書かれている。

学派とその信奉者はときには信者にたとえられることもある。各学派の内容をこのように批判的に、かつ、建設的に、相対主義におちいることなく論ずることはとても難しいことではあると思うのだが、このようにありたいものだと思う。


2001/01/29(月)実験実習発表会

午後から実験実習の最後の日は発表会。各セメスターで実習した課題について実験グループ毎に発表する。実験実習1は各実験を例年よりもよくこなしている印象だった。ただ、口頭発表形式なのでグループ成員の「貢献」の具合がよくわからないことが難点である。つづいて実験実習2は前期よりは良くなって、後期はすこしもちなおした印象がある。毎年、どういうわけか実験実習1(2年次)よりも実験実習2(3年次)のほうで「低調」な傾向にあるのである。ちなみに今回私が担当した課題の発表についての印象は、少々未消化というものだった。

課題が難しくなる、興味が限定されてくる(良い意味でも悪い意味でも)というような理由を考えていたが、課題間の関連性を感じられない、ということも一つの理由かもしれないと思う。課題は4名〜6名の担当教員がそれぞれの関係分野から選択するので、課題相互の関係はかならずしも強いわけではない。各領域内での難易の順序はある程度考えられているが、全体としてはむしろ無関係な印象が生ずるのではないだろうか。これは現状の心理学自体の多様性を反映しているもので、やむおえない面もあるのだが。バラバラな「専門領域」の集合のように見える。これは私も学生時代には感じたことであり、各担当者の領域内ではある程度整合性があっても、領域間でどのように解決すればよいのかがわからない状態におかれていると言えよう。

実験実習ではどうしても実験や実習「くさく」なるので「役に立たない」という印象がでるかもしれない。これについては関連情報や実例を補足するしかないし、むしろいろいろ想像できるのではないかと思う。

考えなければならない点も多いことは確かだが、実験実習をこなすことで、レポートを書く技能については、向上しているように思える。


 

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