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2001/5/5(土)追跡調査(「3歳児神話を覆す」)

前に別の新聞にも掲載されていた菅原ますみ氏ら(国立精神・神経センター精神保健研究所)による「母親の就労と子供の問題行動」調査についての記事を読んだ(「3歳児神話」覆す調査:ママ働いても子に影響なし:東京新聞(夕刊)2001/5/1)

「母親が幼児期(特に3歳まで)に働くことが、子供の非行など問題行動をもたらすので、3歳までは母親の責任で子育てをすべきである」というのが「3歳神話」と呼ばれているものらしい。この「説」はこれまでにも調査データによっても支持されていない。統計的な意味での「根拠」のないゆえに「神話」と表現されているのであろう。この点を16年の長きにわたる追跡調査で検討したこの研究は貴重なものであることは疑いない。記事によると「これほどの長期にわたる調査は国内では初めて」ということである。国立?の研究機関にふさわしい研究テーマでもあろう。

記事なので具体的な方法や内容については分からない点が多いのだが、心理統計の教材資料としても適切なものであるので、いくつか問題点を考えてみよう。たぶん正式な報告書には以下の点には適切な処理が施されているものと思う。

このような調査によっては「問題行動」の原因を明らかにすることは本質的にはできないのであるが、このような調査には個別の問題例から過剰な一般化が行われることを防ぐという意味があるように思う。「問題行動」の理由に「過った帰属」が行われがちな領域であるからである。いずれにせよ「神話」を覆すには、より強力なデザインを用いた研究によって「問題行動」が生まれる本当の条件が明らかになることが望まれる。

調査そのものの問題ではないが、「母親の就労」や「働く母親」という言い方についてはちょっと違和感を覚える。私の個人的な生活史の中では、現在とは非常に異なる社会的・経済的背景から働く母親の方がむしろ主流で、専業主婦のいる家庭の方が少なかった。これは社会条件や経済条件によって決定されるものだろう。現代においも、また別の条件により、専業主婦家庭の方がむしろ少ないのではないだろうか。

昨日、日記サイトの登録時間が変化したのはどうしてだろう。


2001/5/4(金)「謎の人物」事件の想像

謎の人物に思う。もしあの彼がその彼なら、まるで前首相のようなものか。まったくの想像だが、入国で止められたときに、自ら「わしをだれだとおもっとるんじゃ」とか言ったんではないだろうか。トーキョーディズニーランドに行きたい、というのが本当だとすると米国式文化的外交は大成功だなあ。映像が放送される前の報道では「IT部門の統括者」とか言われていて、また、オタク的特徴が報じられていたので、彼はパソコンオタクかゲームオタクで秋葉原に行きたい、とか言うのかと思ったのだが。インターネットでいろいろ知るうちに「オフ」したくなったのかもしれないなあ。

でもこの種の事件は後になって真相が明らかになるのだろう。ありえないことだが、ディズニーランドの国、米国へ亡命しようとして、「なかったことにするから」ということで説得して「送還」したのかも。余計な想像をかき立てないないためにも真相を明らかにするべきだなあ。


2001/5/2(水)委員会・iBook

午後から委員会。ある理由があって、この委員は固辞したのだが、現状の体制では引き受けざるを得なくなった。この理由は正当なものだと考えているが、べつのことがきっかけとなってS氏のお手伝いをしてみたいと思うようになった。

連休の合間でいつもの通勤列車はやや混みあっていた。乗客が増えるということもあるのだが、連休期間中はなぜか自由席車両が減らされて、指定席車両が増加するからである。指定席車両はけっこうがらがら。JRはサービスの質について「変革」が必要だなあ。

新iBook発表。なんでこれを最初にださないかなあ。ユーザーオリエンテッドなアップルは成長したのかもしれないが、まるくなってしまったのか、とも思う。でも買うかも。


2001/5/1(火)授業進度

午後から学部研究法。黄金週間にもかかわらず予想以上の出席率だった。欠席者のために授業進度を加減するのは本末転倒だが、ここらあたりの基礎知識が欠けていると落ちこぼしてしまう可能性が非常に高いので、復習・確認的な内容にした。来週再度確認すること。

一こま空いて、大学院・行動適応学と方法論。行動適応学の方は「心身論」の話で不明瞭なものになったと思う。方法論は実験・調査デザインの話で、例年にくらべて非常にソフトに進行。


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