空想科学 

■index_「空想科学」 ■home


2001/12/30(日)忘年会

きのうはパウケというドイツ料理店でツレアイつながりの忘年会・某氏社長就任のお祝いなどいろいろの会。ツレアイの友人達なので年齢は私より少し若いが、働いている男性6名のうち、驚いたことに3人が社長(規模は大・中・小企業)、一人は某金融機関支店長、一人は海外駐在、一人は某大手印刷会社という豪華な顔ぶれだった。ただし社長のうち二人は「二世」社長。たしかに出発点はかならずしも公平とは言えないかもしれないが、ほかはそれぞれの才覚である。みんな不透明な景気動向・社会の変化をにらみながら、それぞれ働きざかりの時代をすごしている様子だった。大学ももちろん例外ではないが、やはり私などから見ると「生き馬の目をぬく」ような世界だと思う。「親」としての話題もいろいろ出たのだが、一番とまどっているのが(私たちが受けた頃とかなり違うらしい)「教育」や進学の変化のようだった。

ソーセージ、にしん、アイスバイン・じゃがいものサラダ・ザウワークラウト(キャベツのドイツ風のつけもの)とおきまりのメニューだったが、どれもうまかった。暖かいザウワークラウトが非常にうまいことを知った。

良いお年を。


2001/12/27(木)タートル・グラフィックス・メール?

夜Yさんの卒論のデータ処理の件で質問のメールが来た。データにある変換をして集計する説明なのだが、説明を訂正しなければいけないこともあったので、ややこしいメールになってしまった。図示しながら説明すると分かりやすいのだが、昔のlogoのタートルのように手書きアニメーション的にペンの動きを再生して画像を描いていけるメールソフトはないものだろうか。相手側にとくべつなソフトをインストールしなくてもすむようなもので、添付書類でもよいのだが。とりあえず文書で説明したが、わかりにくいようだったら画像ファイルを送ればよいか。


2001/12/24(火)データ処理

昨日の「教育改革」についての感想は、エリート教育の失敗という反省は必要かもしれない。エリートには「高い地位に伴う義務」と「矜持と諦観」(ってなんだか田中康夫氏みたいだが)をしっかり「教育」すべきなのだと思う。

年末の授業は先週で終わっているのだが、今日は午後から夜まで卒論相談というか5名分のデータ処理作業でややくたびれた。統計ソフトのおかげで処理そのものは簡便にできるようになったが、使った方法は主に因子分析とクラスター分析で学生が単独でやるのはやや無理があると思ったから。今年設置された実験室間のイントラネット経由でレーザープリンターに出力できるようになり待ち時間がほとんどなく便利になった。

これらの多変量解析は基本的には複雑なデータを圧縮してわかりやすく図式的に表現するところに威力を発揮するもので、「なにも証明するものではない」ことに注意しておこう。あとは個々人において実質的な情報を読みとる作業が残されている。

後期は当社比負担増を「体感上」実感した学期だった。実験レポートの返却が遅れて、冬休みの宿題になってしまった。


2001/12/24(月)教育のありなし・1000人の世界

スクラップ:「普通の子、教育機会は?」(朝日新聞12/24:文化面(eメール時評、斉藤貴男氏)

「構造改革の目玉の一つ」とされている「教育改革」で来春から小・中学校での学習内容が「3割方削減」される。知識偏重の是正を掲げているが、「国」の本音は別のところにあったという。三浦宗門・元教育課程審議会会長は斉藤氏の取材に対して「できん者はできんままで結構。戦後50年、落ちこぼれの底辺を上げることばかりに注いできた労力を、できる者を限りなく伸ばすことに振り向ける。限りなくできない非才、無才には、せめて実直な精神だけを養っておいてもらいたい」と述べたそうだ。

「できる者」に分類された子供は「ゆとり教育」の適用外で、斉藤氏が指摘されるように、この政策はやがて「普通の子供」の教育機会を奪うことに通ずるかもしれない。しかし、「無知で従順な労働力&消費者を育てることこそが教育改革の隠された目的だった」としても、そのような目的を首尾よく果たすことはおそらく困難だろう。

この発言がどのような文脈で行われたものか、わからないし、審議会の意見がどの程度反映されているのかも不明だが、「会長」にはふさわしくないひどい発言だ。三浦氏は我が国最高の教育を受けておられるハズなのだが。

「実態」をふまえることは「行政」的には必要なことかもしれないが、このような考え方はおおかたの人々の同意をうることはとうていできないものだろう。それに「落ちこぼれの底辺を上げる」ような「教育」はけっして否定されるべきものではない。「自由」を主張するのにこれらムラ的民主主義を否定する必要はまったくないのである。

先日あるネットニュースで「今、世界の人口が1000人だったら」というデータをまとめた人があったそうで、大学教育を受けた人の割合はなんと100人に一人にすぎないのだという。ちなみにパソコンをもっている人は100人にふたりで、富の大半をにぎる「金持ち」は6人にすぎず、すべてアメリカ人。


2001/12/20(木)SPSS

今日で年内の講義は終了。知覚心理学は聴覚の最終回で聴覚障害援助関係の話。最期にほんのわずか音楽と騒音の話題にふれた。今日は卒論相談が断続的に6名。データ処理が主な内容。次回までにデータから距離行列をエクセルなどで作っておくようにと言ってしまったのがが、spssに「距離行列」をデータから作成するオプションのあることに後で気づいて、メールで連絡。

SPSSのバージョンアップの案内が来ていた。バージョンアップもよいけれども、マニュアル整備(オンラインも印刷物も)が先ではないのか。SPSSなどは高価なソフトである。この種のソフトでは、知的な財産をユーザーに利用可能な形にする、というのがサービスの基本的な内容である。本来の統計手法の開発者の「知的所有権」はどのようにして守られているのか疑問に思うこともある。

ゼミの発表は「目撃者証言」を題材にした章だった。後期から「心理学ワークブック」をつかっている。これまでこのような形式の教科書はほとんどなかったように思う。「研究」についてのスタイルや「考え方」を学ぶのに適していると思う。ただ各章のあとにつけられている「質問」に、なにを聞いているのかが判然としないものがあるように感じた。

帰宅がすこし遅くなったこともあって、柏の駅ビルで夕食。おどろいたことによる夜9時だというのに満席という店がいくつかあった。今日は年末のボーナスや給料日なのだろう。夜ADSLを立ち上げる。やはりつながらないのでモデムを使っていたら、しばらくして接続できるようになった。接続できれば快適なのだが信頼感いまいち。


2001/12/19(水)外部評価

午後から会議3つ。あわただしい。ある会議で出された本学に関する資料が提出された。大学外部からみた意見なのでちょっとまとはずれの点も見受けられるが、客観的で的確な意見も多く、概してまっとうなものだと思う。これらの意見を尊重した結論を出してほしいものだと思う。

ADSLは今日もトレーニングモードにはいったきりで、いつまで待っても通じない。モラトリアム状態だ。アサヒネットにはクレームのメールを書いたのだが、なんの返答もない。これが「満足度一位」(ネットナビ1月号)のプロバイダーだとはちょっと信じがたい。ADSL前まではほとんど問題なかったのだが。これもあれもデータ通信にのりおくれたNTTがみんな悪いのでしょう。あるいは電話線をつかったデータ通信には見切りをつけるべきなのかもしれない。いまは過渡期の混乱なのかもしれないが、データ通信に関しては、NTTがからむかぎり混乱がつづくのではないかと思う。

「いつでも、どこでも、だれとでも」コミュニケーションをとれるシステムを目標にした初期のベル電話会社の目標は携帯電話で実現したのだが、ベル氏を紹介した文献によるとベル氏本人は都合によらずわりこんでくる電話はあまり好きではなかったそうである。

夜NHK教育でメイナード・スミス氏のインタビューをちらっと見た。「理屈でわからないことをまっさきにしらべなさい」。

京都の中学校で行われた講演で、ある生徒の「自滅的な戦争などをやる人間は進化していないのでは?」という質問に「同感です。人間は(種としては一つなのだが)近所の人たちとはなかよく生きていけるように進化してきたが、皮膚の色のちがう人や自分とはちがう人たちとなかよく生きていけるまでには進化していないようです」


2001/12/18(火)練習と習熟

午前中、学部研究法の演習問題のプリント作成。午後から電算教室でSPSS実習。教室変更の掲示が今日になってしまい、連絡・移動ですこしおくれて開始。SPSSには学生もだいぶ慣れてきたようすで、とまどう人をあまり見かけなくなってきた。(他の授業でも使っているのかもしれない。練習による習熟。)今日欠席していたグループの習熟はどの程度なのだろう。相関係数の練習問題は心理学の内容に深くかかわるものなので、わかりやすいのかもしれない。多変数間の相関行列までなんとかこなせた。しかし、「無相関の検定」と曲線的な関係、順序相関係数については話だけになった。

夕刻から院・適応学。今日はこの時間にある会議が変更になっていた。直前になって知ったのでどうしようもなかったのが、重なるときは授業を優先するのが原則だと思う。しかし、今日は会議の事情もあって半分授業・半分会議という変則的な妥協をはかった。これってどうなんだろう。6限の院・方法論はすこし遅れて開始。今日は「目でやる因子分析」(○う印登録商標)。相関行列の見方と「共通因子」の意味の話。因子分析にはいろいろな理解のしかたがあるが、この講義では「ベクトル表現による理解」の仕方を採用しているので、相関係数をベクトルで空間的に表現するとどうなるか、ということが理解できればよいのである。

夜はまたADSLがトレーニングモードをくりかえしていて接続できず。


2001/12/17(月)WebCT(Web course tools)

実験実習1の第二週目。先週結果がどうも逆で、変だなあ、と思っていたら、データ集計の見出しが逆になっていたことが判明した。それで、結果は予想を「実証」するものになっていた。でもこの条件だけでは結論はだせない。バランスした条件での結果を照合してみないと。今週の第二実験はマッカロー効果の追試条件。しかし、個人差おおきいものだと改めて感ずる。

実習2はSD法と因子分析の結果の説明。今日休んだ人はレポートかけるだろうか。文献は配布してあるものの、ちと心配。

最近は学内でも話題になることが多くなったe-learningだが、こちらに有益なWebCT(Web course tools) についての情報。

http://www.okayama-u.ac.jp/user/le/psycho/member/hase/journal/psy-rec/_11215/index.html

本学でも検討が始まったようだが、教員個々人の力でデータが蓄積できるためには、なるべくシンプルなシステムがのぞましい。この問題を考える過程で「教育」の本質的なことがらについて見直すよい機会になることと思う。


「空想科学」の記憶 先週 ■index_「空想科学」