空想科学 

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2002/1/20(日)朝の景色・センター試験

今日は「業界」ではセンター入試の二日目だが、これとは別の某業務で出校。入試の季節になるといつもより早い時間の電車に乗ることが多くなる。柏駅付近ではスーツケースに腰掛けて、成田空港行きバスの時間待ちをしている旅行者の姿もあって、うらやましい。この季節では日の出からそれほど時間がたっていないので、雲の状態によって非常に美しい空を眺めることができる。水戸付近ではやや低くたれこめた雲の合間から地上へ向かう光の帯が見えていた。

センター試験の受験生らしい生徒の姿も多かった。不安そうな表情の人、落ち着いて参考書を開いている人、さまざまだ。60万人ともいわれる受験生が全国一律にこの試験を受けている、というのはやはり「奇景」というべきだろうか。今日進歩したテスト理論に従えば、かならずしも一律に実施しなくても「実力」を診断することは可能だと思われるし、各大学の期待にそった「実力」考査さえ設計することもできるだろう。センターも独立行政法人化されたことだし、この方面のサービスも期待できるようになるだろうか。


2002/1/17(木)レポート・卒論

秋学期の講義は今日で終了。来週は定期試験と院・適応学の補講。知覚心理学は触覚の話題をごく簡単に。まとめとして、知覚・幻覚の話と「間接的な」知覚の可能性の話。各感覚の関係のまとめとして知覚の分化説と共感覚の話で終了した。

ゼミまでの時間、実験実習2のSD法のデータ処理。これで被験者全員分のデータがそろった。傾向は変わらず3因子構造。3年生のレポートはそれぞれバラエティがあって文章もこなれていて読みやすいものが多くなっている。ただし、こちらでもコピーしたレポートが出てきた。まあ、りっぱに更正してください。

院生のK君がデータ整理の相談にきた。ある心理的な調査アンケートの処理方法について。常識的だが、データ処理そのものの問題も大切なのだが、その前に、最終的にどのような形で結果を示すのか、そのあたりの検討を十分に。アンケート項目がやや古くなっている印象もあること(古い研究と比較するには止むおえない面もある)、なんらかの理論的な背景を見いだすことができれば有為な研究になると思う。

ゼミは本年度卒業研究の概略の紹介。これからの課題は「卒論の研究プロトコール」を作成すること。この件については、自分のことをタナにあげないと、つとまらないのが教員、という面があるのだが(私のばあい)。論文の各パートで書くべき事、ふれるべき事について、良い資料があるので、これを紹介することにする。「卒論」というユニット全体を眺めているととらえがたいもののように感ずる面もあると思うが、各パートに分解することで「今日の仕事」と「明日の仕事」を見通すことができるのではないかと思う。量の問題ではないが、一日一枚書くと一年で365枚だ。また、結果については、それこそ「結果」として得られるもので、これ自体の良し悪しはむしろ付随的なものだ。

卒論は2名が追加・修正を申し出。非常に良いものもあったし、ことしはそれぞれ自分なりによくやったのではないかと思う。

お昼は「好文庵」のたまごとじうどん。今日はめんが変わってシコシコ麺になってよくなった、と思った。今日はたまたま配達直後に食べることができたのでいつもは「のびた」状態で食べていたのかもしれない。


2002/1/16(水)道具

午前中修論査読の面接。昨日も同じ印象をもったのだが、方法についての理解が困難な面があって、せっかくの「分析」が「考察」と融合していない。「理解できない道具はつかうな」という格言があるのだが、これを徹底させるとほとんどなにもできなくなるおそれもあるし、新しい方法への挑戦を避けるという傾向もでてくるかもしれない。ユーザーとしての自己責任ではあるのだが、ある方法をつかったためにむしろ本来のテーマから離れてしまう、ということも起こってしまうこともある。知りたいことがらをもっと明確に自覚することだろうか。

午後から昨日の会議をうけての会議。結論を得たのだが、判断材料をとにかくあつめることが必要だ。この件に関しては我々自身ももう少し積極的に情勢を理解する必要がある。われわれの大学は「東武線」をめざすべきなのだから。って意味不明。現状は今週の週間アスキーのコラムでいえば、「親子丼」かもしれない。ってますます意味不明。

日記サイトがクラッキングされた模様だ。サーバーの防御も大変な仕事になってきている。


2002/1/15(火)研究の道具

午後からの心理学研究法はまとめとして相関係数の解釈と因子分析の紹介。心理検査の構成とイメージ調査への応用を例としてとりあげた。来週は定期試験。修論査読の面接。広報課と打ち合わせ一件。院・適応学はまたまた委員会の割り込み。先日ある学部内の委員会を私事により欠席したのだが、そこでの話題についての全学的な検討会だったため、事情がよく把握できず発言を控えなければならないこともあった。委員会と授業が重なってしまうことも何度かあって困る。次の時間の院・研究法はなんとかすこし遅れて開始。こちらも千秋楽。SD法の学部実験実習データをつかってごく表面的にだがSPSS実習を行ってまとめにした。

講義の後、他大学の院に進学したI君に「心理学の先生というのはどの程度統計学を知っているんでしょうか」という質問を受けた。分野にもよる。学部程度の知識ももたない方もあれば専門家はだしという人も。ごく基本的な内容以上については「必要に応じて」、としか言えないのだが、因子分析の歴史が教えているように、必要な道具を心理学者自身が作っていた(今日ではそれが心理学以外の分野でよく利用されている)ことは伝えておかなければならない。


2002/1/14(月)成人式

昨年あたりから、ちょっとちがうんではないかい、と思う成人式のニュース。もちろんディズニーランドがいかんというわけではないが、なんだか本末転倒のような。「成人式」は成人した若者を祝う、というのがその趣旨で、オトナになるための「儀式」ではないとはいえ、あれでよいのだろうかとの思い。「式」を縮小して、アトラクションとして企画されたということだが、オトナの人々はあの企画によってどのような新成人を祝うメッセージを送ろうとしたのだろうか。ニュースでとりあげられるので過剰に反応してしまうのであるが。

現代においてオトナとして遇されるようになる「儀式」はなんだろうか?法律的にはともかく、オトナになるというのは、身近な人々から一人前として遇されるようになることだろう。この条件は人によりさまざまなのだから、一律に成人式のお祝いをすること自体に無理があるのだと思う。

レポート読みと、はじめて修論の査読。レポートはまたまた問題発生。かれらはまだまだ「未成年」だが、来年度はレポート課題を再考しなければならないなあ。


2002/1/13(日)データ

このところ春の陽気。夜NHKスペシャル「データマップ日本」を見た。いま社会的な問題になっている事柄(出生率、所得の伸び率、倒産、老人医療費、外国人労働者、公共事業費、等)について、全国3200市町村のデータを列島マップで示し、それぞれの極値をとる町のルポによって現状を対比的に伝えようとしていた。コメンテーターは経済学者、映画監督、鳥取県知事。こうしなければならない、とか、押しつけがましくなく淡々とデータで語る番組構成は好ましいものだった。全体を見ることで悲観的にもならず楽観的にもならずに「将来」を考えるヒントが多くあったように感じた。

日本全国のこのようなデータベースをつくりスピードをもって現状を把握できるようにすることは行政的な「IT革命」をもたらすのではないか、と思う。

番組はもちろんこれらのデータの断片による象徴的なものだが、「元気」な地域は「農業(生産)」、「世代間の役割分担」、「地域社会」といった共通性があった。これらは「いきがい」と呼べるかもしれない。これはいわば「古い日本」の姿が(偶然か、意図的にかは別として)残されている文化でもある。これらを失ってしまったことが「衰退」の背景としてある。もはやわれわれはそこに戻ることはできないかもしれないが、この「あたりまえ」でごく基本的な条件を取り戻すことが「再生」のための必要条件になるのではないか。

この番組のなかでは教育や大学についてはふれられていなかったが。一度このように俯瞰してみたいものだと思った。


2002/1/7(月)予想

午後から実験実習の最終のグループ。2年生はマッカロー効果の追試条件。3年生は香り刺激のSD法評価実習。実験グループは10名弱だが、各グループの雰囲気が違うのは面白いことだ。

噂のnew iMac情報?あれを見る限りでは「噂を超える」というほどではないなあ。写真を見ただけなのでよくわからないが。勝手な予想では、欠けているのはゲームとモバイルなので、あっとおどろくPS2コンパチブルのiGameという親ソニー路線でくるのかなあなどと。

ADSLは昨日500KBPS今日にいたっては220KBPSになってしまった。だめだこりゃ。正月中はISDNなど回線利用率が低くて干渉が少なかったということだろうか。ASAHI-NETのホームページには以前はなかった8MB->1.5MB契約変更のフォームができていた。こちらの問い合わせメールにはなしのつぶてだが、けっこうクレーム多かったんだろうなあ。


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