空想科学 

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2002/2/4(月)卒論発表会・ひょっこりひょうたん島・Red beans and rice

午後から卒論発表会。残念であるが、ここ数年発表する学生がすくなってきている。いろいろ事情もあるのかもしれないが、とりくんだテーマについて発表しておくことは貴重な経験になると思う。昨日の朝日新聞東京新聞の地方版に千葉大学の社会教育学の研究室では「一般公開」の(学内ばかりでなく学外に対しても)卒論発表会が行われたことが報じられていた。学生数については12名程度と小規模だから可能、という面もある。

卒論は研究成果というよりも、本人の努力やとりくみ方が評価されるものであるからかならずしも発表しなければいけない、という性質のものではないと思うが、教員としてはこのようハレの日をもうけることでその努力を評価したい、という気持ちがある。ただ教員の立場からはどうしても「問題点」が気になって、それを指摘することで「批判」的な雰囲気になることもある。このことが発表意欲を削いでいるということもあるのだろうと思う。

某業務のため発表会は中座。業務終了後、専攻の追い出しコンパを覗いたが、肝心の4年生の参加が少なかったなあ。

どういうわけか、とある通知をみて、ひょこりひょうたん島のテーマソングが思い浮かぶ。「ひょうたんじーまはどこへいく〜うううう〜」って意味不明。

夜、NHK「夢劇場」ルイ・アームストロングの再放送を見た。前回みたときにはそれほど気にとめなかったのだが、Red beans and riceの話と冷蔵庫のたまごの話にはうたれるものがあった。


2002/1/31(木)新勧・追いコン

夕刻よりnさんの卒論発表会の練習。実はnさんには謝らなければいけないことがある。nさんは2年生の終わり頃のゼミの選択でいろいろ悩んでいた。それで、そのときはこれは卒論のテーマ選択が(教員にとって「手がかかって」)大変かなあ、と漠然と予想していたのである。しかし、nさんはテーマも自分で決め、着実に準備をすすめ、りっぱに卒論を書き上げたと思う。つくづく私には「人を見る目がない」と思い至っている。

そのあと遅くなったゼミの新歓と追いコン。ゼミの3年生がアルバイトをしているマルシェという小さなレストランを貸し切りで。今年は新勧・追いコンを兼ねてということで、3学年がそろいにぎやか。ただ4年生が半数しか参加できず少々残念だった。将来はいつだって不透明だが、ことしは特にはなむけの言葉もかけられず、ただ元気で、というばかりだった。

新ゼミでは「原点」を今一度振り返り、テーマを決めていこうと考えている。私にとっての「教育」の「原点」は教員になったばかりにある学生から受けた質問「心理学は何の役にたつのでしょうか」ということばであり、また、T氏の著書の「自分にだまされないために」ということば、「自分自身の心理学を模索中」というSセンセイの言葉であるように思う。


2002/1/30(水)イタリア古式サッカー

午後から会議三つ。一つは実験実習の成績判定。今年は概して成績良好だが、二三の問題。空き時間に発表申込用のアブストラクトの原案を書いた。関連文献を本棚から探し出したがホコリだらけでしょうしょうくぼむ。つづいての会議は修論判定会議。さらに夕刻、会議3連発。

■緑と白

夜NHKで「イタリア古式サッカー」を見た。部分的にしか見なかったので聞き損なったのだが、カルチョ??トル??。衣装は中世の(ペルシャ風にもみえる)ニッカーボッカーのようなズボン(ストライプ模様で王様がよくはいているようなタイプ)をはき、上半身ははだかでとにかくボールをゴール(相手側のかなり広いゾーン)に入れる。チームは27人で、両チーム54人が入り乱れて殴り合いの乱闘ありタックルありで、サッカーとラグビー、子供のころやった「肉弾」(陣地取り戦)あそびを混ぜたようなものでルールはほとんどなく、倒れている選手を殴ったり蹴ったりしてはいけない、というのが最低限のルールのようだ。地区の代表チームが戦う、ということで「お祭り」の要素もあるようだ。かたり継がれている伝統的ゲームが「緑(地区のチーム)と白」の試合で、500年ほどまえの侵略の危機にあって市民を勇気づけたときのゲームということだ。いろいろな球技の原型を見るようで迫力があって面白い。(NHKはときどき海外ルポものですごく面白い番組をやることがある。)日本にもいろいろな「けんか祭り」はあるが、「地域振興」策にさえなりそうだ。どうですひとつ学部間でやって本学の名物に。


2002/1/28(月)発表会・作文・絶対評価

午前中、知覚特講試験の採点。午後から実験実習の合同発表会。昨年までは3年生の発表がどうもいまいちだったが、今年は形式的には比較的良い発表だった。しかし、プレゼンテーションはよくなったが内容の理解という点については、「小一時間問いつめたい」ものも多かった。時間の都合で質問はひかえたのであるが。最終グループのレポートをいそいで採点を終える。

レポートではないけれど、「毎日作文で文章力向上」という記事(東京新聞夕刊)が目にとまった。日教組の教育研究集会での報告である。大学ではなく小学校1年生を対象にした作文の「授業実践」ということだ。ほぼ一年経過した今では毎日1ページ半(200字程度か?)の日記を書いたり、あるテーマで5,6枚書く生徒も現れてきて、平均すると小学校3年生の水準に達したということだ。実験実習でも「量」の問題ではないが、レポートを一年間ないし2年間自分なりに取り組んだ人と、そうでない人では大きな差になっていると思う。

もうひとつ教育関係の記事。「通知表がかわる:相対評価から絶対評価へ(朝日新聞)」。これまでの「相対評価」に対比させて名付けたのだろうが。「絶対評価」という呼び方は私の語感ではどうも不自然でわかりにくい。

なぜこのような変更が行われるのか正確な事情は把握していないのであるが、「絶対評価」にすることで個人内での努力や成果が評価されやすくなり、成績が上昇するなど、良い点もあるようだ。

ともかく成績順位を他人との比較で決めないで、達成水準により決める、という方向は悪いことではない。しかし、文教大学長は「中学校では、通知表とは別に、入試向けの実力テストでどの位置にあるかなど、保護者が知りたい相対評価情報を提供した方がいい」とコメントされている。ここでもやはり「競争原理」が現れてくるのだが。


2002/1/24(木)愚かな選択

学部・知覚特講の定期試験。今年は選択・小論述形式にした。

水戸駅には予定時刻に到着したのだが、なんだが渋滞していてバスが全然動かない。南町のスクランブル交差点で事故があったらしい。試験だというのに遅刻しそうだ。電話でとりあえず時間がきたら用紙を配布して試験を始めてもらうように依頼。けっきょくタクシーで10分遅れで到着できた。

午後から学部・研究法の採点。上位得点者は予想より少なかった。得点差は比較的小さいようだ。取り扱いに苦慮しそうなのは20%ほどか。

認定心理士の申請書類をもって来る学生が今年は多いように感ずる。時勢とはいえ複雑な思い。認定料はそれなりの値段である。この方面についてあまり注意を払っていなかったのであるが、審査料にしては高スギるのではないかと。

帰りのフレッシュひたち号でJ学部のG・I両センセイと一緒に。なぜ賢い人たちが愚かな選択をする(ことがある)のか、という話題になったのだが、Iさんは、歴史的な事例をいろいろ教えてくれた。Iさんは私よりだいぶ若いがその博覧強記ぶりには感心する。共通な構造としては、組織の危機というのは、組織成員が組織内での身近な危機回避に専心する傾向に陥りがちなことに一因がありそうだ。


2002/1/23(水)ハッピイ・マンデイ

午後から会議。来年度の後期についてハッピイ・マンデイをどうするか、という問題で長引く。結局祝日としての意味の薄い「振り替え休日」は授業を行う、ということに落ち着きそうだ。大学のカレンダーは15週もうけなければならないのだが、私立の場合入試日程や追・再試制度のために単純に日程を繰り下げるのが難しいようだ。しかし、事務処理の「IT」化は進行しているわけだし、いろいろ工夫の余地はあるのだと思う。

それにしても振り替え休日にするくらいなら、どこかにまとめて振り替え休日週間をつくる方がよいのではないかなあと思う。


2002/1/22(火)定期試験

午後から学部・研究法の定期試験。秋セメスターの内容、分散分析と相関係数について出題した。分散分析の方は穴埋め形式と短い論述形式、相関係数は図を利用して概念の説明を求める形式にした。ざーとみたところ分散分析はおおかたできていて、ちょっと易しすぎたかと思ったが、相関係数の方は半数くらいは沈没状態だった。相関係数は直前の単元だったので、易しいと思ったのだが、意外な結果になりそうか。難易度設定は難しいものだと思う。

試験は学生にとっては「単位」取得の手続きにすぎないのかもしれないが、教員にとっては講義の実質的な成果を評価される機会でもある。

例年、学部では講義に出ていればだいたい80点くらいはとれるだろう、という予想で問題を作成している。ここ数年の経験ではこの予想にこたえてくれる学生の割合はおよそ1/3というところだ。

院・方法論も定期試験。こちらは今年は論述式で、受講生の予想がはずれた模様。しかし、範囲は明らかなので設問内容については容易に予想できたと思う。

この間、小会議と院・適応学の「補講」。こちらはレポートを課して試験とする。試験中で気がつかなかったのだが「夕立」があったようで、下校するときはすがすがしい空気。


2002/1/21(月)

実験実習も今週で終了。ことしはレポート提出についていくつか問題が生じた。検討すべき宿題になった。夕方から雷雨。


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