学科長あいさつ

常磐大学人間科学部健康栄養学科は、短期大学時代を含め55年の歴史を持ち、社会で活躍をしている卒業生を数多く輩出している伝統校です。食と健康に関する専門的知識や技能を有する栄養学の専門家として、ヒューマンサービスを実現できる人材を育成します。

栄養学の専門家として社会の幅広い分野で活躍するには、生命科学を基盤とした学術的な専門知識と技能、管理栄養士としての実践力が重要です。講義や実験を通して、生命科学から食と栄養・健康に関する専門知識と技能を体系的に学びます。また実務教育では県内の医療施設、給食施設、行政機関において実習をおこないます。管理栄養士は、食事や栄養の指導を通して食と健康をつなぐ専門家として、官公庁、保健所、病院、学校、福祉施設やスポーツ施設など様々な所で、乳幼児期から高齢期まで幅広いライフステージを、健康と食と栄養の専門職としてサポートしています。

本学科の教員は学生に対し、社会において活躍出来る人材育成の為に、高度な教育と研究の推進により、多分野で活躍できる人材を育成することを目指しています。チーム医療などの医療機関における人や、健康の維持増進に貢献する福祉施設の人、特定給食施設などで栄養指導・栄養管理をする人、企業での食品開発や食品衛生管理に携わる人、学校で次世代社会の子どもたちの食育を担う栄養教諭のほか、アスリートやスポーツを楽しむ人々の身体づくりをサポートしたい人、それぞれに実践力がつく指導を行います。教員は常に学生を大切にし、夢ある将来への希望をサポートしています。その夢をつかむために管理栄養士国家試験の合格に向けて、独自のシステムで支援し、新しい時代を担う「管理栄養士」を養成しています。大きな夢を持ち、学ぶ意欲のある学生を待っています。

常磐大学人間科学部健康栄養学科長
住吉 克彦

カリキュラム

健康栄養学科のカリキュラムについての情報は、常磐大学ウェブサイトをご覧ください。
常磐大学ウェブサイト

学生の声

小出 弓加(2020年度入学/大学4年生:取材時)

海外留学や地域連携活動など、様々なことにチャレンジしながら管理栄養士を目指している小出さん。健康栄養学科に進学した理由や健康栄養学科での学び、経験してきた活動についてお話いただきました。

――― 管理栄養士を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

家族が医療職であり、その様子を見てきたことで、幼いころから医療関係の職で働きたいと思っていました。また、料理をすることが好きなこと、国際問題分野にも興味があることから、医療、食、国際問題などに携われる職はないかと考えました。色々と探した結果、管理栄養士として、国際協力に関わることが、私の人生の目標となり、まずは管理栄養士を目指しています。

――― 常磐大学の健康栄養学科を選んだのはどうしてですか?

管理栄養士を目指すうえで、管理栄養士養成課程のある学科を選ぶことは必然的でした。その中でも、人とのつながりを重視し、都会という環境があまり得意ではない私は、自然が多く、先生方との距離が近い常磐大学の柔らかい雰囲気に惹かれました。また、学長が国連での経験がある方であり、国際協力について知識を得る機会が身近にあるということも決め手の一つでした。

――― 健康栄養学科に入ってよかったことは何ですか?

色々ありますが、1番は様々な課外活動に参加できたことです。健康栄養学科の学生だけが参加できる「食品栄養研究会」では、東京オリンピックの際に来日したベルギーの選手に日本の食材を食べやすいようにアレンジした料理などを作って、おもてなししました。また、ゼミナールでは、地元の企業と商品開発を行いました。他にもいろいろなことを行い、これらの経験は、常磐大学の健康栄養学科に入ったからこそできたことであり、今の自分の自信にもつながっています。

――― 学んでみて興味深かった科目はありますか?

すべての学問が興味深かったのですが、特に興味を持ったのは「調理学実習」と「栄養教育論」の授業です。

調理学実習」は、調理をするのが楽しかったことはもちろんですが、調理方法を科学的観点、栄養学的観点から理解しながら実習を行うのはとても興味深かったと思います。

「栄養教育論」は、対象者に栄養の大切さを理解し実行してもらうための“教育”について、最大限の結果につなげるためにはどのような理論を用い、アプローチしていくのかについて学ぶ授業です。理論を理解し、適切なアプローチ方法を選択できるよう、力をつけることは大変ですが、管理栄養士の職務は、栄養に関する適切な提案を行い、それを対象者に実践してもらって、初めて、結果につながる職業だと思います。そのためには、栄養教育論という授業はとても大切な授業であり、とても興味を持ちました。

――― 入学前には学ぶことを想像していなかった意外な科目はありますか?

「臨床医学」、「薬理学」、「病理学」の授業は特に意外でした。管理栄養士というと、栄養系の授業ばかり想像していましたが、様々な疾患の原理、薬について学ぶと知った時は驚いた記憶があります。栄養が医学や薬と深くつながっていることが理解でき、結果的にそれらの相互作用について学ぶことはとても楽しかったです。

――― 商品開発に参加されたとのことですが、どんなことを行い、どんなことを感じましたか?

商品開発はゼミナールで飯村先生から誘ってもらったことがきっかけで参加し、デザート班のリーダーと全体のリーダーを務めました。製造会社様、販売会社様、私たち、と意見の折衷案を見つけ、話をまとめることはとても難しかったです。ですが、関わっていただいた多くの方々が、私たちを、“開発者”としてみてくれて、活発な話し合いができたことや、商品の製造から流通、消費者に届くまでの商品開発に携われたことはとても貴重な経験になったと思います。また、基礎栄養学や調理学、栄養教育論など授業で学んだ知識を実践で用いて商品開発をできたことも、とてもうれしかったです。

――― タイに留学されたとお聞きしました。参加した動機や、経験したことなど教えていただけいますか?

もともと大学入学前から、在学中に留学の機会を得たいと思っていましたが、コロナウイルスや、実習期間との重なりで、なかなか参加できずにいました。忙しい合間に何とか3年生の時に留学の計画を実行出来る準備が整い、東南アジアの食栄養問題に興味があったので、タイに留学することに決めました。現地では、タイ文化だけでなく、料理や教育、経済、少数民族文化についても学びました。タイ料理では、ハーブや魚介類を使った料理が多く、日本の“うま味”とはまた違っており、味の奥行きがとても深いと感じました。味の表現の仕方も日本とは異なり、タイでは多種多様な食材と、調理方法、食材一つ一つの味をしっかりと強調させることにより、組み合わせたときに口内に広がる味は様々でした。このように今まで感じたことのない食文化や感覚に触れ、視野の広がりを感じ、良い経験となりました。

――― 様々な活動を積極的に行い、多忙な毎日を送られていますが、時間の使い方で工夫していることは何ですか?

授業で空いた時間は、課題を実施したり、友人と勉強したりすることで、有効活用できるように工夫しました。また、1日の初めにtodoリストを作り、1つずつ着実に完遂することで、1日の生産効率を上げ、限られた時間を無駄にしないようにしました。

――― 健康栄養学科へ入学し、管理栄養士をめざそうとしている皆さんにメッセージをお願いします。

食は人間を作り出すそのものであり、食がないと人間は生命活動を営むことが出来ません。つまり、人間=食であり、食は人間の根幹を担います。そのため、管理栄養士は人間そのものを学ぶことにつながり、必要とされる知識は、細胞や分子レベルから、教育、医療、衛生など多岐に及びます。授業数や課題の多さにやめたい!と考えたことは何度も何度もあり、そのたびに挫けそうになりました。しかし、“友人がいるから頑張ってこれた”のだと思います。管理栄養士はチーム医療を求められることから、授業でもグループ活動がとても多く、困難を乗り越えながら、成果物を仲間と作り上げることで、クラス全体の団結力は高まっていきます。こういった親密なクラスの関係は私にとって力となる環境でした。一般的に多くの大学生が口にする「大学は人生の夏休み」という言葉は、この学科には一切当てはまりません。ですが、大学の4年間を、苦しいことも楽しいことも仲間と共に過ごし、いろいろな経験をしたことによって、心から自分の力になったと感じることのできる時間を過ごすことが出来たと思います。

高校までとは違い、これからは、「自分で切り拓き、創り上げていく」人生のスタートです。常磐大学の健康栄養学科では、その大切なスタートを親切で熱すぎる先生方と、仲間思いの友人がたくさん手助けをしてくれることと思います。皆さんが、管理栄養士として、人として、多くの成長と経験をし、温かく、有意義な四年間を過ごせますように!

廣瀬 和樹(2020年度入学/大学3年生:取材時)

「郷土料理コンテスト」や地元の企業との商品開発プロジェクトなど多方面で活動しながら管理栄養士を目指している廣瀬さん。健康栄養学科に進学した理由や健康栄養学科での学び、「プロジェクト」活動についてお話いただきました。

――― 管理栄養士を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

祖父母や両親が農作物を作っていたということもあり、お米や野菜などの農作物や、食品そのものに、もともと関心があり、将来は、人々が生きるために必要な食に関わる専門的な仕事をしたいと考えていました。職に関わる仕事にはいろいろありますが、大学進学を契機として、食に関わるプロとしての専門性の高い管理栄養士を目指すことに決めました。

――― 常磐大学の健康栄養学科を選んだのはどうしてですか?

複数の大学の栄養系の学科に合格していましたが、そのなかで、自分にとってプラスになることが一番大きいと感じた常磐大学の健康栄養学科を選びました。

――― 健康栄養学科に入ってよかったことは何ですか?

健康栄養学科に入ってよかったと思うことは、食品を栄養素という観点から見ることができるようになったことです。食事の際に、食品を見ただけで、足りないと思われる栄養素が分かるようになりました。たとえば、緑黄色野菜が少ないと気が付いたらニンジンを入れるなど、工夫することもできるようにもなりました。高校までと比べて、出身地の異なる仲間がたくさんいるために、多様な知識や習慣、文化を学ぶことができることも魅力です。専門以外の科目を広く学べる点もよいと思いました。たとえば、「情報の基礎」という科目では、高校では深く学ぶことのなかったエクセルについて深く学べるなど、幅広い教養が身につくので、入学してよかったと思っています。

――― 学んでみて興味深かった科目はありますか?

学科の科目のなかでは「食品学」です。今まで、調理の際に当たり前だと思っていた食材の色の変化が、なぜそうなるのかという、色素の変化という化学反応の視点から理解することに、特に興味を感じました。また、化学的な変化ということだけではなく、色素の変化がおいしさにも関係してくるという点も面白いと感じました。これは、視覚の問題で、見た目でおいしさも変わるということです。それから、「調理学」も興味深かったです。お米を炊くにしても、なぜ炊けるのかなど、今まで当たり前だと思っていたことを、原理の面から理解できるようになりまし。お米の成分がどう変化して、硬い粒から、ふっくらしたお米になるのかなど、原理的に学ぶことができました。「基礎栄養学」や「生化学」も興味深いと感じた科目です。「生化学」は、専門用語が多く、覚えることが多いので難しく感じる人も多いようですが、たとえば複雑な代謝反応なども、コアになる原理が分かるとおもしろくなり、理解もしやすくなります。高校の「化学」は、学習する単元が多い分、内容は浅くなってしまうのですが、大学の「生化学」は、より深く、専門性が高いと感じました。でも、そこに興味を持つことができ、面白いと感じました。

――― 入学前には学ぶことを想像していなかった意外な科目はありますか?

「臨床医学」です。身体の基礎的な仕組みなど、医学に関わることを学ぶことは知っていましたが、医師が必要とするような臨床上の知識まで学ぶことが、とても意外でした。病気の原因などを学ぶこともでき、生活の場でも役に立つ科目だと思います。「統計の基礎」も意外でした。こうした科目を学ぶことは、全然想像していませんでした。しかし、「公衆衛生学」など他の科目を学ぶ際にとても役に立ちました。

――― 様々な授業を受けるうえで、勉強での工夫は何かしていますか?

効率の良い学習方法を工夫するようにしています。たとえば、教科書に書かれていることを、そのままノートに写す必要はないので、教科書に書かれていないことで、先生がおっしゃったことを、教科書の関連個所の余白に素早く書き込むなどの工夫をしています。復習についても、ただ漫然と教科書を読み返したりするのではなく、覚えたことを頭の中で系統立てて整理して、自分で説明できるようになるまで繰り返し暗唱するなどして理解を深めるようにしています。

――― オープンキャンパスなどにボランティアで積極的に参加されているそうですが、動機やきっかけ、活動内容などを教えていただけますか?

健康栄養学科の助手の先生から参加依頼をいただいたのがきっかけです。オープンキャンパスの模擬授業をアシストする仕事で、会場のテーブル上にある資料の配布や、参加された高校生からの質問(たとえば、どういう勉強をしたらいいかなど)に答えるというものです。

――― 所属されているゼミナールでは、郷土料理コンテストの取りまとめのリーダーをされているそうですね。どのようなコンテストなのでしょうか。詳しくお話しいただけますか?

「郷土料理を次世代に伝承していこう」という目標に基づいて、新しい郷土料理の開発を競うコンテストです。ゼミの3年生全員で取り組んでいます。郷土料理は一般に味付けが濃く、塩分が多めなので、減塩した郷土料理を次世代に伝えましょうというのが、コンテストのコンセプトになっています。茨城県の料理は、煮物や汁物など調味料を多く使うものが多く、どうしても塩分が高めになってしまうのではないかと思います。いま取り組んでいる郷土料理は、パイタ焼きという漁師めし由来の料理です。イワシやサンマが原料で、漁師さんが櫂板(かいいた)という船を漕ぐ板で、叩いて丸めて焼いた料理がもとになっています。名前の由来ですが、「かいいた」が訛って「パイタ」になったそうです。味付けはお味噌なので、味噌の量を減らして減塩しますが、これだけですと、食べたときの満足感が減少してしまいますので、旨味調味料を足して満足度を上げるようにしています。さらに、蓮根を加えて食感をよくして、より満足度を高めることも試みるつもりです。コンテストの具体的な内容ですが、まず自分たちで調理して試食し、味を自分たちで評価してレポートを作成します。そして、そのレポートを、郷土料理コンテストの主催者に提出することになっています。そもそも、郷土料理について知りませんでしたので、減塩の際に、旨味調味料をどうすべきか、加える食材をどうすべきかで迷いました。

――― ゼミナールでは、商品開発にもかかわっているとお聞きしています。どのような商品を開発されているのでしょうか?

ゼミで班ごとに商品開発に取り組んでいます。私の所属する班のメンバーは4人です。マルトさん(福島県を中心に多数の店舗を転化しているスーパーさんで、茨城にも店舗があります)と磐城飯店(福島県いわき市で、餃子・焼売の製造と卸、インターネット販売をしています)さんと協力して開発をしています。開発しているのは、野菜餃子で、これはゼミのメンバーの発案です。野菜という食材は、単独では選ばれにくいのですが、餃子に入れれば、たくさん食べてもらえるのではないかという発想です。ただし、野菜を多く入れるため、少し肉の割合は減らしています。野菜には、もちろん茨城の野菜を使う予定です。食感を出すために蓮根とごぼうを使います。それから、県西地区で多く栽培されている白菜(生産量が茨城県で上位に位置する)を細かく刻んで加えます。その他に、シイタケ、ニンジン、キャベツなどが主な具材になります。にんにくは、女性やお子さんに配慮し、入れないのですが、減らした肉やニンニクの代わりとなる旨味をどうすべきかで悩んでいます。売り出し予定は11月で、これからパッケージやネーミングを決めていくという段階です。

――― 多忙な毎日を送られていますが、時間の使い方で工夫していることは何ですか?

通学が電車で片道1時間、往復2時間かかりますので、この時間を効率よく利用するようにしています。車内でできる課題や調べ物は、できる限りやるようにしています。座れないこともありますが、その時はスマホ片手に調べ物をするようにしています。

――― 健康栄養学科へ入学し、管理栄養士をめざそうとしている皆さんにメッセージをお願いします。

入学前の今の時期から、入学してから大学で自分が何をしたいのかをしっかり考えていただくとよいと思います。管理栄養士という資格をとるには、そうとう勉強しなければなりませんので、覚悟が必要です。ほんとうに管理栄養士になりたいわけではなく、「何となく入学」では勉強を続けることはできず、自分の力になりません。自分が何を学びたいのか、将来どのような職業に就きたいのか、どのような人になりたいのかをしっかり考えて入学していただければ、きっと充実した学生生活を送ることができると思います。これからの学生生活、頑張ってください。

金子 みりあん(2019年度入学/大学3年生:取材時)

「地魚プロジェクト」や「世界のおもてなし料理プロジェクト」など多方面で活動しながら栄養教諭を目指している金子さん。健康栄養学科に進学した理由や健康栄養学科での学び、「プロジェクト」活動についてお話いただきました。

――― 管理栄養士を目指そうと考えるようになったきっかけを教えていただけますか?

小学校の時、栄養教諭の先生と出会ったのが最初です。先生に、お箸の使い方やご飯を食べる順番を教えていただく機会があり、そのとき、分かりやすく楽しく食について学ぶことができました。献立をつくる指導をしていただくこともあり、生徒たちが、バランスのよい献立を立てることができれば、それが実際に給食に採用されることもありました。私は採用されませんでしたが、食について考えることが好きだったので、良い経験だったと思っています。このような小学校時代の経験から、私も子どもたちに食べる楽しさを教えたいと思い、管理栄養士の栄養教諭を目指すようになりました。

――― 早くから管理栄養士の栄養教諭という目標が決まっていたということで、大学でも健康栄養学科への進学を目指していたと思いますが、特に常磐大学の健康栄養学科を志望された理由は何でしょうか?

祖母が常磐短期大学の家政科食物健康栄養専攻(常磐大学人間科学部健康栄養学科の前進)の出身なので、常磐大学の健康栄養学科のことは祖母から聴いて以前から知っており、興味を持っていました。祖母の勧めもあり、オープンキャンパスに参加したところ、個別相談コーナーで、疑問点を分かりやすく丁寧に教えてくださる先生に出会い、常磐大学への入学を目指すことに決めました。

――― 常磐大学に入学され、実際に学んでみて興味深かった科目は何ですか?

「食品学」や「食品学実験」です。食品の構造や機能、たとえば、タンパク質や炭水化物、脂質の構造や機能を学んで、こうした物質が身体にどんな作用を及ぼすのかということを詳しく学べる点が興味深かったです。実験ではカテキンやポリフェノールの食品中の含有量の違いを分析しました。テレビなどで知っていた物質ですが、実験することで、それらをより深く理解することができました。実験は失敗することもありますが、クラスのみんなと一緒に作業をするのはとても楽しいです。

――― 入学前には想像していなかった意外な科目はありますか?

「解剖生理学実験」です。顕微鏡で肺や肝臓の組織や細胞を観察しました。こうしたことまで学ぶとは想像していなかったので、とてもびっくりしました。臨床栄養や病気のことを学ぶことは分かっていましたが、細胞の構造や、身体の仕組みまで細かく勉強するとは思っていませんでした。血圧の測定、心電図の測定も実験で行いました。また、「臨床医学」では、インフォームドコンセントなど患者への接し方など、医師や看護師さんが学ぶようなことまで学ぶことが意外でしたが、こうした医療従事者が関わる仕事について、管理栄養士もよく理解していなければいけないということがよく分かりました。

――― 健康栄養学科は他の学科よりも授業が多いのですが、そのうえ教職課程も履修されているということで、学ぶことが多く大変だと思いますが、勉強面で工夫はされていますか?

授業が多いと、どの授業で何を学んだかが分からくなることあるので、復習をしっかりやることにしています。

後で復習しやすいように、家に帰ってからノートの内容を整理して書き直すようにしています。細胞などの観察の際には写真を撮り、それを見ながらスケッチして、理解を深めるようにしています。

時間を有効に使うために、授業と授業の間の空き時間に課題をやることにしています。また、放課後にパソコン室や図書館へ行き、閉館までに大学の勉強は終わらせるように集中して頑張り、帰宅後は自由な時間を過ごせるようにしています。目標を決めてそれまでに勉強を終わらせ、後は自由時間にする、というように、メリハリのある生活をすることが大切だと思います。

――― スケジュール表を拝見させていただいてもよろしいですか?

スケジュールを組んでいますが、その際、土日は空けておき、金曜までに終わらなかった課題を土日に行って調整するようにしています。土日までスケジュールを埋めてしまうと、計画通りにいかないときに調整が困難になるからです。

――― 授業以外のことで、実際に入学してよかったと思うことは何ですか?

地域との連携が盛んで、地域が抱えている身近な問題を解決する取り組みに参加することができる点です。特に、「さばプロジェクト」では、子どもや若者が魚を食べる機会が少なくなっているという現状を改善するために、どう工夫すれば興味をもって食べてもらえるのかという問題を考え、実際に取り組むことができました。こうしたプロジェクトを通じて、今、社会で問題になっている課題を発見する力を養うことができましたし、地域の方々との交流によってコミュニケーション能力を伸ばす訓練もできました。

――― 「さばプロジェクト」について、もう少し詳しくお話しいただけますか?

「地魚プロジェクト」という、魚を食べる機会が少ない子どもや若者に魚を食べてもらうためにはどうしたらよいかを考え、解決するプロジェクトの一環です。ヨークベニマルさんの開発担当者の方々にご協力いただき、商品開発を行いました。健康栄養学科の先生が、Moodleでプロジェクトへの参加を呼び掛けていらっしゃるのを知ったことが参加するきっかけになりました。先日、商品が発売されました。

――― 実際に商品を召し上がった感想はいかがでしたか?

トマト味とカレー味があり、トマト味の方は酸味が少しあって、さっぱりと食べられました。カレー味の方は塩分を抑えているので、くどくなくて食べやすかったです。

――― サークル活動をされているそうですが、何というサークルに所属し、どのような活動をされているのですか?

食品栄養研究会というサークルに所属しています。実際には、「豚汁サークル」と呼ばれていて、よく豚汁を作っています。昨年は学園祭でも豚汁を提供するつもりだったのですが、コロナ禍で中止になったので、ゼミの先生からのご提案で、「世界のおもてなし料理プロジェクト」に、サークルとして参加しました。私自身も世界の料理、特にベルギーの料理に関心があったので進んで参加しました。

サークル活動は、研究というよりは、みんなでおいしいものを作って食べてというような楽しいものです。サークル内で後輩たちとLINEで連絡を取り合い、授業の分からないところを先輩たちが教えたりもしています。

――― 「世界のおもてなし料理プロジェクト」についてもう少し詳しく伺えますか?

地域連携としてのホストタウンサミットの一環です。昨年のプロジェクトで、オリンピックに向けて茨城にいらっしゃるベルギーの方々向けに2種類のお料理を準備するというものです。どちらも茨城の産物を用いたものです。1つは、ワッフルをモチーフにしたお料理で、米粉と小麦粉を合わせた白い生地の上に、焼いたベーコンとさつまいも、栗を載せたものです。ワッフルというとお菓子というイメージですが、これはそうではなく、お食事として召し上がっていただけるものを考えました。もう一つは、地元の郷土料理であるけんちん汁。ベルギーにはベジタリアンの方が多いそうなので、食材には茨城県産の牛蒡と人参、そして蓮根を使用しました。味付けはベルギーの方に合わせてはいないのですが、これは、郷土料理の味を体験していただくためです。

――― 常磐大学のキャンパスはどうですか?

キャンパス内が自然に恵まれ、緑がいっぱいあってよいですね。

学食が完備されている点もよいと思います。特に、T棟の学食が好きです。献立もちゃんとあり、塩分の量なども分かります。専用のLINEがあって、登録すると1週間に1回、献立表が送られてきます。そこにカロリーなどが書かれているのでおもしろいです。

N棟の食堂にもよく行っています。家庭的な感じで、ボリュームが多いのが特徴です。唐揚げとかいっぱい食べたいときに行きます。キッチンカーを利用することもあります。大学内でクレープなどが食べられるのは新鮮な感じがします。

――― 常磐大学の健康栄養学科で学ぶことを考えている高校生の皆さんにメッセージをお願いできますか?

食品、調理、給食、科学といった専門的なことをたくさん学ぶのでたいへんだと思いますが、食に関わるさまざまな知識を学ぶと、日常生活でも視野が広がって、今まで気づかなかったこともたくさん発見できるようになります。皆さんにも、常磐大学健康栄養学科で、ぜひいっしょに管理栄養士を目指してがんばってほしいと思います。

中橋 智衣(2018年度入学/大学3年生:取材時)

第9回噛むかむレシピコンテストで噛むかむレシピ賞を受賞した中橋さん。健康栄養学科を選んだ理由や健康栄養学科での学び、噛むかむレシピの制作過程などを話してもらいました。

――― 管理栄養士を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

もともと、食には興味があり、幼稚園の頃から料理の手伝いをしたりしていました。小学生の頃に、ホタテでアレルギーが出たため、給食の詳細についてのプリントを渡されて、献立の中にホタテが入っているかどうかチェックすることになりました。それが大きなきっかけです。ホタテ1つでも意外に大変だと気づいて、食に関することを自分もやってみたいと思うようになりました。管理栄養士を知ったのは、中学生の頃です。中学校に栄養教諭の先生がいて、食育の話を聞いたときに知りました。大学進学のときに、アレルギーのことや、食事は一生に関わることだからということで管理栄養士の道に進もうと決めました。

――― 常磐大学の健康栄養学科を選んだのはどうしてですか?

高校3年生のときに常磐のオープンキャンパスに何度も来ました。他の大学のオープンキャンパスにも行ったのですが、常磐の雰囲気が自分に合っていると感じたからです。オープンキャンパスに参加していた先輩たちがとても親身になって、長い時間相談に乗ってくださったことも決め手になりました。

――― 学んでみて興味深かった科目や意外な科目は何でしたか?

臨床栄養学と食品衛生学実験です。臨床栄養学は、病気や薬と食品の関係が深いことが知れたからです。ちょうど受講していた頃、祖父が入院していて、授業の内容と関連づけられたことも理由の一つです。食品衛生学実験は、手についている常在菌の検出や食品中の生菌検出などが印象に残っています。手を洗っても、洗い方によっては除菌が基準値に達しなかったりするのが、目に見えるのも興味深かったです。食品に関わる上での衛生の大切さも学びました。スーパーマーケットでアルバイトをしていたときには、手洗いに注意したり、アルコールを持って行ったりして衛生に気をつけていました。意外だったのは、運動生理学実習です。最大筋力測定や平衡感覚の測定をしたことで、栄養の学科でもこういうことを学ぶのかと思い、印象に残りました。

――― 終わったばかりの臨地実習の様子や学んだことを教えてもらえますか?

病院で行う臨地実習では、現場での実習と遠隔での実習での実習を織り交ぜたものでした。個人の栄養指導の見学や集団での栄養指導、調理室での実習なども行うことができました。集団での栄養指導では、少人数で行われている様子を見学できました。献立作成を行う課題もいくつかありましたが、ただ病気の人を対象とした献立を立てるだけでなく、調理員が作りやすいように考えることの大切さを学びました。

保健所での臨地実習は、オンラインで行われました。テレビ会議やチャットなどで指導していただきました。現在はコロナ禍のため、集団での栄養指導はインターネットを使って行っているようで、その様子もわかりました。少ない人数で自分から調べたり、学んだりしている保健所の管理栄養士さんの大変さもわかりました。また、栄養について関心がない住民の人に、どう興味を持ってもらうかの工夫がすごくされていて、その点も勉強になりました。

――― 日常生活や学習の面で工夫していることはありますか?

課題が重なっているときや多いときは、課題や提出物だけのTo-doリストを付箋で作って管理しています。時間でスケジュールを記入出来るように手帳も選んでいます。空き時間があれば、間近に提出しなければならない課題や、すぐに終わる課題をしています。レポートなどパソコンを使う課題では、学校で行うこともありますが、通常は家で行っています。

茨城県歯科医師会主催の第9回噛むかむレシピコンテスト(一般の部)で噛むかむレシピ賞を受賞した中橋さん。レシピの制作のことなどを聞きました。

編集部注:噛むかむレシピコンテストは、茨城県歯科医師会が噛む大切さを啓発・普及するために行っているもので、おいしくて噛む回数の増えるレシピを募集しているものになります。中橋さんは、「肉巻き納豆」で第9回(テーマ食材「納豆」)一般の部の噛むかむレシピ賞を受賞しました。

「肉巻き納豆」は、テーマ食材である納豆にゴボウ・ニンジン・チンゲン菜の茎の千切りとスライスチーズも混ぜ込み、豚肉で巻いたものです。

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――― 噛むかむレシピの作品の制作過程を教えてください。

2年生の夏休みに制作しました。噛むかむなので、根菜は使おうと思っていました。一品でも満足できるようなボリュームも欲しいと思い、肉で巻くことに行き着きました。根菜にはゴボウとニンジンを選びました。緑と黄色も欲しいと思い、茨城県名産のチンゲン菜とチーズを加えました。チーズはボリュームを出すためにも使用しました。あまり自信がなかったので、受賞したと聞いてびっくりしました。

――― 授業でレシピを考えたり、噛むことについて習ったりはしたのですか?

今回のレシピは自宅で考えましたが、授業ではアレルギー対応食のメニューやヘルシーレシピを考える機会がありました。アレルギー対応食は臨床栄養学、ヘルシーメニューは栄養教育論の実習で行いました。噛むことについては、臨床栄養学で肥満予防や口の中の健康を保つために大切だということを聞いていたので、そのことは意識しました。

――― レシピはどのように作っているのですか?

レシピを作る際には、いろんなレシピを見るようにしています。レシピは自分で調べています。この部分を参考にしようとか、これを作ってみようとか考えます。レシピを参考に家でも作ったりしています。

――― 最後に、健康栄養学科へ入学し管理栄養士をめざそうとしている皆さんにメッセージをお願いします。

健康栄養学科では、食事や栄養の他に病気や人体の構造、食品、公衆衛生、給食運営など幅広く学びます。現在、病院と保健所の実習を終えて、1、2年生に学んできたことが3年生の実習にすべて繋がっているのだと実感しています。まずは興味のあることからで良いので、積極的に質問したり調べたり自発的に行動することが大切だと思います。また、食は生きていく上で切り離せないものなので、ここで得た知識は生涯自分のために役に立ち続けると思います。この学科では自分のためにサポートして下さる先生方や、高め合える仲間と出会うことができます。ぜひ私たちと一緒に食と健康のスペシャリストを目指しましょう!

(取材日:2020年9月22日、11月6日・遠隔実施)

南 大翔(2017年度入学/大学3年生:取材時)

いわき市出身の南さん。まずは、健康栄養学科を選んだ理由や大学での学びについて話してもらいました。

――― どうして管理栄養士を目指そうと思ったのですか?

もともと料理をするのが好きで、母の手伝いをしたりして、調理師に興味がありました。両親が共働きだったので、祖母もいろいろと面倒を見てくれていたのですが、小学生の時にその祖母が糖尿病で入院することがありました。退院後に管理栄養士から栄養指導などを受けて元気になったのを知り、食べ物は人が生きるうえですごく大切だと思い、調理師ではなく栄養面から健康を支える管理栄養士を目指そうと思いました。

――― その中で常磐大学の健康栄養学科を選んだのはどうしてですか?

いわき市出身ですが、近くには男子が学べる管理栄養士の養成課程がなかったのでいろいろ調べました。常磐は共学なので男子でも進学できること、そして食品衛生監視員、食品衛生管理者などの他の資格も取れるので、魅力を感じました。姉も常磐の健康栄養学科に通っていて、先生が熱心に指導してくださるという話を姉や両親から聞いたのもきっかけになりました。

――― 学んでみて興味深かった科目は何ですか?

臨床栄養学です。祖母が入院していたこともあり、病気に対してどのように栄養改善をしていけばいいのかという食事療法の考え方を知れたのがすごく興味深かったです。これまでに、基礎科目で栄養のことや人体のこと、そして臨床医学という科目で病気に関して学んだのですが、それらがつながって理解でき、活用できそうだと感じました。自分の健康のためにも使えそうだとも思いました。

また、臨床栄養学の実習では模擬栄養指導で管理栄養士役を担当しました。病院での栄養指導を想定し、患者さん役の同級生と対面し栄養指導を行いました。食事の仕方や改善方法を指導するには、多くの知識が求められます。事前準備も大変で当日は緊張しましたが、患者さん役の人とやりとりや一緒に考えていく過程が面白かったです。

――― 他にも、健康栄養学科で学んだことで入学前にはイメージにはなかった科目はありますか?

臨床医学です。医学的に体や病気のこと、改善方法を学びましたが、医師を養成する学科でなくてもここまで深く学ぶのかと思いました。先生が大病院で院長を経験された方だったので、手術例や先生の経験を交えて講義してくれたことが印象に残っています。

――― 臨地実習では、どのようなことが学べましたか?

栄養指導の見学では、栄養指導の仕方や患者さんとのコミュニケーションの取り方について学びました。模擬栄養指導で自分たちが不十分だった点も、現場の管理栄養士は難なく対応していて多くのことを学べました。また、自分が立てた献立の配膳チェック時など調理師さんとの連携の仕方についても学びました。塩分コントロール食のような治療食を食べる機会もありましたが、イメージしていたよりも美味しく、塩分が制限されていてもしっかり味を感じられ、病院食は美味しくないというイメージも払しょくされました。さらに、今回の病院実習では、カンファレンスにも参加でき、薬や治療法など、チーム医療で連携する職種に関する知識もつけていかないといけないと、気持ちを新たにしました。

――― 日頃の時間の使い方では何か工夫はしていますか?

自宅近くのコンビニでバイトをしていますが、学業とのバランスは考えるようにしています。テストが始まる1週間前から、テストに集中できる環境にするために休みをもらうようにしています。そのようなことが可能なバイトを選び、学業と経済的自立のバランスを取っています。国家試験や学業に対して理解のあるアルバイト先で、とても感謝しています。接客よって知らない人と話すのには慣れました。栄養指導でも、初対面の人に対して行うので、役立てられるかなと思っています。

――― 勉強での工夫は何かしていますか?

日常の勉強は、なるべく空きコマを有効に使うようにしています。あとは、夜に勉強したり、課題を行ったりする時間を設けるようにしています。まずはテキストをしっかり読んで準備し、自宅でパソコンを使ってまとめるようにしています。テスト期間に入る前の普段からこつこつと少しずつまとめるようにしています。理解を深めるために予想問題を作ったりして、しっかりとポイントが頭に入るように工夫しています。家から近く、21時まで開いている大学の図書館を活用しています。図書館の机は広いので、本やノートなどたくさんのものを置いて相互に関連づけながら勉強できるのが、良いところだと思っています。特にテスト期間は図書館を中心に集中できる環境で勉強をするようにしています。同級生と一緒にテスト勉強をすることもありますが、自分が理解したことを教えたりすると、覚え方が違ってくると感じます。問題を出してもらって、それに答えることなどもしています。

他にもサークル活動など様々なことに取り組んでいる南さんに、その様子を聞いてみました。

――― サークルではどのような活動をしていますか?

バスケットボールとバレーボールを行う球技のサークルに所属し、1~2週間に1回、体育館で活動しています。中学、高校とバスケットボールをしていましたが、大学生になると運動する機会が減るので、体を動かせる環境があるのがいいと思います。生活のリズムをつかむのにも役立ちました。また、健康栄養学科は男子学生が多くはありませんが、他の学科の男子学生と交流を持てるのも良い点です。1、2年生の頃は、一緒に食事に行ったりもしていました。今は副部長をしていて、まとめることの大変さを感じることもあります。それでも、夏合宿の企画を立てて楽しんでもらえるとうれしいですし、他にも文化祭にお店を出して販売もしました。学科での勉強に加えて、他学科の友人との交流を持ちながらスポーツで汗を流すこともでき、バランスの取れた、充実した大学生活を送れているように思います。

――― オープンキャンパスでのボランティア活動もしているのですね?

教室での企画と、学内を高校生と一緒に回るツアーのお手伝いをしました。教室での企画は、食品の描かれたパネルを使ってメニューを選択してもらい、簡単な栄養計算をしながら、栄養バランスについて考えるというものでした。栄養に関してあまり知識のない人に説明する難しさはありましたが、理解してもらえた際には充実感を感じました。また、県外から参加してくれた男子高校生に対して、男子学生としての体験を伝えることもできました。自分も進学先を探していた経験があったので、印象に残っています。

――― 最後に、健康栄養学科へ入学し管理栄養士をめざそうとしている皆さんにメッセージをお願いします。

この地方で男子が管理栄養士の資格を目指せる数少ない大学です。また、他にもたくさんの資格を取得することができます。学科の先生や助手の先生がしっかりとサポートしてくれるため、幅広い知識を身につけることができます。少しでも食や栄養に関して興味があるならば、健康栄養学科に入り様々なことに挑戦してみてください。

(取材日:2019年7月24日、9月17日)

日向寺 泉帆(2016年度入学/大学3年生:取材時)

鹿行地域から通学をしているという日向寺さん。まずは、健康栄養学科を選んだ理由や大学での学びについて話してもらいました。

――― 管理栄養士を知ったきっかけは何でしたか?

中学生の時にタニタ食堂のことをテレビでやっていて、そこで管理栄養士の仕事を知りました。社員食堂なのに栄養がしっかり考えられていたことがとても印象に残りました。

健康に関心の高い母親も、私が管理栄養士になりたいというのを聞いて、「いいじゃない」と後押しをしてくれました。

――― その中で常磐大学の健康栄養学科を選んだのはどうしてですか?

県内で管理栄養士国家試験の合格率がトップだったからです。また、幼稚園・小学校・中学校と一緒で高校だけ離れていた友達も常磐の健康栄養学科を目指していて、それもきっかけになりました。

――― 学んでみて興味深かった科目は何ですか?

臨床栄養学です。祖父が病気になった際に、栄養の考えられた食事を摂ることで症状が改善したことがあり、関心がありました。実際に受けてみると、病気と栄養の関係をくわしく説明してもらえたので、印象に残りました。また臨床栄養学実習では、病院で行う栄養指導を模した模擬栄養指導で管理栄養士役も体験しました。患者さんの立場に立って説明することを意識し、取り組んだのも勉強になりました。

――― 他にも何かありますか?

様々な科目で行った調理実習です。調理学実習では世界の料理を実際に作ったのが印象に残っています。応用栄養学実習では離乳食を、臨床栄養学実習では治療食を作り、作る側として献立や調理方法を考えることの大変さを知ることができました。調理実習では栄養素も考えながら、普段食べられないものを作って食べられるので、とても楽しかったです。

――― 時間の使い方や勉強での工夫は何かしていますか?

自宅から自動車通学のため、学校にいる時間を有効に使うよう心掛けています。授業の時にペンを使い分けたりしながら、復習やテスト勉強に生かせるようにしています。アルバイトも土日だけにしたり、テスト前には入れないようにしたりと、自分でコントロールするよう気を付けています。

復習や課題は、空きコマの時間を有効に使って進めるようにしています。友達と一緒に議論しながら勉強することもあります。日常生活で専門用語を使って覚えるということもしました。例えば、よく噛むことを「咀嚼」といいますが、友達と食事をする時に、敢えて「咀嚼」という言葉を使ったりして、楽しみながら覚えました。

現在は、卒論に向けてのゼミの課題として、とろみ剤の種類によってとろみの付き方がどのように変わるのかを調べる実験を行っているので、空きコマの多くをそのための時間にしています。

他にも様々なことに取り組んでいる日向寺さんに、その様子や臨地実習のことも聞いてみました。

――― 水戸市の食育サポーターでは、どのようなことをしたのですか?

市立の小学校と中学校に行きました。小学校では、6年生の家庭科の調理実習の補助や給食時の食育指導を行う機会がありました。調理実習では児童たちの自主性を考えて、自分たちでうまく行えるよう配慮しながら、子ども達の実習の補助をしました。

また中学校では給食の時間に食育指導をしました。中学生でもわかるよう工夫する中で、言葉を選んで伝えることの大切さを学びました。また、その時には栄養士さんたちが何人も来ていて、大学にいるだけでは知ることのできない話を聞けたのも勉強になりました。

――― オープンキャンパスのボランティアでは、どのようなことをしたのですか?

昨年は食品学実験の説明をしました。紫キャベツやほうれん草を茹でる際に、水道水か、食塩水か、酢を入れるかなどの条件の違いで、食品に含まれる色素にどのような変化が起こるのかを説明をしました。

今年は、私たち大学生と高校生とが一緒にまわる、学科のキャンパスツアーを担当しました。「大変さもあるけど、楽しいこともたくさんあるよ」ということを伝えるよう心掛けました。高校生が熱心に聞いてくれる姿に、私も刺激を受けました。

――― 臨地実習では、どのようなことが学べましたか?

公衆栄養臨地実習では市の保健センターに、臨床栄養臨地実習では病院に行きました。保健センターでは、妊産婦を対象にした講座や育児相談を見学したり、母子検診に参加したり、子ども達に食べ物に興味を持ってもらうために、食育遊びに取り組んだりもしました。

病院では実際に調理場に立って作業をし、病院での大量調理の大変さを実感しました。また検品作業も行いました。異物混入がないよう注意を払ったり、誤りがないか気を付けたりしながら、実際の業務について理解することができてとても有意義でした。

栄養指導に力を入れている病院だったので、継続して栄養指導を受けている患者さんとのやり取りを見学する機会もありました。患者さんに合わせてやり取りする様子は、大学の中だけでは想像できないものだったので、貴重な経験になりました。

臨地実習では、難しいことや大変なこともありましたが、学校の中では学べないことをたくさん学ぶことができました。春にある給食経営管理臨地実習でも、これらの経験を生かしたいと思っています。

――― 最後に、健康栄養学科へ入学し管理栄養士をめざそうとしている皆さんにメッセージをお願いします。

常磐の健康栄養学科では頑張ればたくさん資格を取ることができます。大変なこともあるかもしれませんが、わからないところも、学科の先生や助手の先生が教えてくれます。

大学に入って専門知識を学び、臨地実習で複数の現場を経験することで、自分自身に合った進路を考えることもできます。不安になることはないと思いますので、考え過ぎたり、心配したりせずに挑戦してみてください。

(取材日:2018年8月21日、11月28日)

生田目 哲也(2015年度入学/大学3年生:取材時)

福島県出身の生田目哲也さんに、健康栄養学科での学びのこと、一人暮らしのことなどを話してもらいました。

――― 管理栄養士という職業を知ったのはいつですか?

高校生のときに部活で陸上をやっていて、部に毎年管理栄養士の方が来て話してくれる講演会があったので、それで知りました。

――― 常磐大学の健康栄養学科を選んだのはなぜですか?

自分も管理栄養士を目指そうと思ったときに、福島では男子の入学できる学校が無かったので、県外に出ようと思いました。

常磐を選んだのは、真空調理器など給食の実習施設が充実していると思ったのと、多くの資格を取ることができるからです。福島から比較的近いのも決め手になりました。

実際に入学してみて、カリキュラムが充実していたので、入ってよかったと思っています。

――― 一人暮らしはどうですか?

1年生のときは寮に入っていて、2年生からは一人暮らしをしています。男子寮では友達と遊んだり、共有のキッチンで一緒に料理を作ったりしたのが印象に残っています。

一人暮らしになってからは、家にキッチンがあるのでたくさん自炊をするようになりました。最初の頃は家事も全然わからず大変でしたが、慣れてからは大丈夫です。

――― 授業で学んだことも一人暮らしで活用するようにしているのですね?

1年生のときの調理学実習で習ったレシピを見返して、自分で作ってみたりしています。また、食品衛生学の授業で習った消毒などは実践しています。効率を考えて作り置きをすることが多いのですが、ちゃんと容器を消毒したり、衛生管理は意識しています。授業の内容が役に立っています。

――― 大学に入って面白かった授業は何ですか?

生化学実験が面白かったです。カゼインの抽出や脂質の酸化、ペクチンのゲル化など、実際の食品やお菓子を使った実験が特に印象に残っています。高校までにはこれほどしっかり実験をやったことがなかったので、しっかりと実験できることも楽しかったです。

講義科目でも病院から来てくださる先生もいますし、衛生検査の経験のある先生の食品衛生学の授業では、給食施設の立ち入り検査のエピソードなど、現場の話が聞けて面白かったです。

――― 日頃の学習で工夫していることはありますか?

授業は覚えることもたくさんありますが、その日やったことの復習はするようにしています。そして、週末にももう一回、一週間でやった教科書の内容を読み返したりしています。そうすると結構内容が定着するので、あとはテスト前にもう一回復習をしています。

課題は、提出期限の前日とかではなく、出された日から取り組むようにしています。見通しを立てて、キッチンタイマーを使いながら制限時間を作って、集中して取り組むようにしています。

授業だけでなくボランティアにも積極的に参加しているという生田目さんに、ボランティアのことや終わったばかりの臨地実習のことも聞いてみました。

――― どのようなボランティアをしてきましたか?

去年は水戸市の学生食育サポーターとして、小学校と中学校に行きました。小学校では、食育の紙芝居を作って子どもたちの前で発表しました。子どもたちが、指をさして絵に興味を示してくれたり、元気に返事を返してくれたりしたのが嬉しかったです。

他には、小児糖尿病サマーキャンプにもボランティアとして参加しました。栄養士の方と食事の準備をしたり、一緒にキャンプをするなかでいろいろと学びました。

今は、オープンキャンパスで健康栄養学科を知ってもらうためのお手伝いをしています。入学を考えている人に、自分が入る前に知りたかったことを伝えられたらいいなと思ってやっています。

――― 病院・保健所での臨地実習で印象に残っていることは何ですか?

病院で特に印象に残っているのは、栄養指導です。授業でも栄養指導を習っていましたが、実習ではベテランの管理栄養士の先生の栄養指導を見ることができたので比べたりしながら学べました。教科書で習ったNSTも実際にどのように行われているのかを知ることができました。

保健所では、自分たちの食事記録の分析や、症例を検討してグループ発表をしたりしました。また、保健センターに出向いて、1歳6ヶ月検診や特定保健指導の見学もしました。管理栄養士の先生が現場で心がけていることや苦労も聞けて、すごく勉強になりました。

――― 最後に、これから健康栄養学科へ入学し管理栄養士を目指そうとしている皆さんにメッセージをお願いします。

男子の人も管理栄養士は女子がやるものだと思わずにチャレンジしてみてください。チャレンジや失敗も経験できるのが学生だと思います。大学はがんばり次第で何でもできるので、いろいろチャレンジしてみてください。

(取材日:2017年8月4日、9月30日)

長南 真琴(2014年度入学/大学3年生:取材時)

山形県出身の長南真琴さん。一人暮らしをしながら健康栄養学科で学ぶ彼女に、健康栄養学科を選んだ理由や大学生活について話してもらいました。

――― 管理栄養士という仕事を知ったのはいつ頃ですか?

自分が小学生だった頃に、学校に栄養教諭・管理栄養士の先生がいて、知りました。給食がすごく大好きだったので、こういう給食を作れるような人になりたいなと思っていました。それが管理栄養士だと知ったのは、6年生頃になってからだったと思います。卒業文集の将来の夢にも書いていました。

――― 実際に大学に入って管理栄養士を目指そうと思ったのはいつ頃ですか?

それからずっと管理栄養士を目指したいと思っていました。中学生の時も、給食委員長みたいなのをしていましたし、高校でもずっと管理栄養士を目指して勉強をしたいと思っていました。ずっと興味があって、いろいろ学んでみたかったんです。

――― その中で、常磐大学の健康栄養学科を選んだのはなぜですか?

山形出身なんですけど、まずは県外に出てみたいというのがありました。水戸は場所が遠くもなく、親もそこだったらいいよと言ってくれました。パンフレットを見て、環境もよさそうでしたし、学費が安めだったことも理由の一つです。

――― 一人暮らしを始めてみて大変ではなかったですか?

アパートで一人暮らしをしているのですが、思っていた以上にすることが多くて、慣れるまでは大変でした。自分のサイクルができてからは大丈夫です。

――― 健康栄養学科は他の学科よりも授業が多いですが、工夫していることはありますか?

授業中は線を引いたり、わからないところをチェックしたりして、あとでそういう個所を重点的に勉強したりしています。あとは、放課後みんなで残って勉強会とか、わからないところをお互い教え合ったりしています。

やはり、計画的に勉強しておいた方がいいと思いました。それと、周りの人と協力することも大事だなと思いました。周りの人と協力することで身に付くこともあるし、情報を共有することもできるので。

――― 時間の使い方で工夫していることは何ですか?

課題などがたくさんあるときは、自分で締め切りを作ってやるようにしています。課題の提出期限や難易度を考えたりもしています。高校時代に通学時間が長かったので、工夫するようになりました。

今は空きコマとかを使ったりして、学校でやる時間を作るようにしています。バイトは雑貨店でしていますが、曜日を固定して働いています。土日を中心に行うようにしています。学生だということは考慮してもらっています。

――― 今までで面白かった科目は何ですか?

楽しかったと思うのは、複数の科目での調理実習です。献立を考えるだけでなく、実際に作ることもできたので。大量に作るっていうのも初めて経験しました。調理方法も、知らなかったことがいっぱいで、こういう風に調理するんだというのを知ることができたのもよかったです。

あと、好きなのは応用栄養学です。それぞれの年代に合わせて栄養を考えたり、起こりやすい問題を知ることができるので。その中でも、一番興味を持ったのは乳仔期や幼児期です。将来そういう人たちと関わる仕事に就けたらと思っています。

――― 入学前は想像していなかった科目で、こういうことも学ぶんだと思ったものはありますか?

臨床栄養学がそうです。栄養素などについて学ぶだけでなく、病気など医学に関わることも学ぶんだなと思いました。理解してくると、そういうことかと納得したり、習ってきたことにそういうつながりがあったんだとわかったりして、ヤッターと思いました。

あとは、食品衛生学実験です。培地を使う細菌検査をしたんですが、普段食べているものだったり、使っているものからも菌が検出されたりして、それが目に見えてわかったので。普段の生活でも意識したりするようになりました。

大学の梅酒開発プロジェクトではラジオや新聞での広報も担当した長南さん。機会があれば、ボランティアなど様々なことに挑戦するようになったという彼女に、そのあたりのことを聞いてみました。

――― 高校までも様々なことに挑戦していたのですか?

いろいろ挑戦するようになったのは、大学に入ってからですね。視野が広がるというか、普段の生活では経験できないことがいろいろできてよかったです。

梅酒プロジェクトはいい機会になりました。特にラジオと新聞に出たことが印象に残っています。

――― 最近はどんなボランティアに参加したのですか?

水戸市の学生食育サポーターとして小学校に行ってきました。

2日間、5年生の家庭科の調理実習の補助をしました。ご飯の炊き方とおみそ汁の作り方をやりました。それと、こどもたちと一緒に給食を食べました。1年生と4年生のクラスでした。

給食の時間に栄養に関してこどもたちに話をする機会があり、栄養教諭の先生のものを参考にしながら、自分たちで原稿も作りました。こどもたちがかわいくて、いい経験になりました。

――― 残りの在学期間でしてみたいことはありますか?

将来は、乳幼児期の子たちと関わる仕事がしたいので、関連するボランティアがあればやってみたいと思っています。特に、市町村にある保健センターでの仕事に興味があるので、市町村でのボランティアにも参加してみたいです。あとは、いろいろな人と交流してみたいですね。

最後に、大学に入ってよかったこと、これから健康栄養学科へ入学し管理栄養士を目指そうとしている高校生の皆さんへのメッセージを聞いてみました。

――― 大学に入ってよかったことは何ですか?

友達や先生との出会いです。友達といると楽しいですし、先生との距離も近いと思います。

いろいろ取り組もうとしたときに、学校全体でサポートしてもらえているなと感じたりもするので、それもよかったです。

――― 健康栄養学科へ入学し管理栄養士を目指そうとしている皆さんにメッセージをお願いします。

他の専攻では学べないこと、できないことがたくさんあって、すごく刺激になると思います。興味があるなら、是非挑戦してみてください。学んだことは、どんな職に就くとしても役に立つと思いますし、きっと自分のためになると思います。

(取材日:2016年9月23日、10月14日)

堺 公洋(2012年度入学/大学4年生:取材時)

高校生の頃までは水泳に打ち込み、関東大会にも出場した経験を持つ堺公洋さん。

これまでをふり返り、健康栄養学科を選んだ理由や大学生活について、そして将来のことについて話してもらいました。

――― 健康栄養学科に入学しようと思ったきっかけについて教えてください。

もともとは調理師になりたいと思っていたんですが、周囲とも相談して、大学に行って管理栄養士を目指そうと思いました。常磐大学を選んだのは、母親が短期大学時代の食物栄養学科の卒業生だったからです。

――― 管理栄養士という職業を知ったのはいつ頃ですか?

小学生の頃に管理栄養士の人がいて、よく話す機会があったので、その頃からそういう仕事があるということは知っていました。

――― 入学して学んでみたら面白かったという科目はありますか?

臨床栄養学や臨床医学が面白かったです。ある症状があるときにどういう原因でそうなるのか仕組みがわかるので。

もともと、スポーツ栄養学に興味があったんです。小学生くらいのときにマラソン選手の食事の本を見て、それで興味を持ちました。普段、大会がないときは肉などのタンパク質を多く摂って、大会前になると炭水化物をいっぱい摂る。何でなんだろうと思ったんですけど、さっぱり理由がわからなくて。

自分は小さいときから高校生の頃まで水泳に打ち込んでいたのですが、理由はわからないながらもそれを親に頼んで、やってもらっていました。それで印象に残っているんです。

競技をやっているときも、何を食べたらいいかということを気にしていました。大会の時は、競技の時間が不規則なんです。だから、「どういうタイミングでどういうものを食べたらいいんだろう?」と。本を読んで、「これがいいんだよ」と言われても、根拠の方が知りたかったんです。大学に入って勉強していたら、その理由がわかってきて、「あっ、そうなんだ!」と思いました。

ケガをしてやめるまで水泳に打ち込んでいたという堺さん。大学に入ってからは、アルバイトもしていたようです。そのことについて聞いてみました。

――― どのようなアルバイトを選んだのですか?

この学科では、かなり勉強しなければならないと聞いていたので、大学に入ってからは勉強に力を入れようと思いました。アルバイトもしていましたが、今まで働いていたのは、テスト前に長期間休めるなど、融通が利くところです。

最初にやったのは、ファミリーレストランの調理場のアルバイトです。自分はもともと包丁の使い方がものすごく得意というわけではなかったので、管理栄養士になったときに専門の知識だけでなく、実技もできた方がいいと思って、このバイトを選びました。たまたま、そこのチーフがこだわりを持っている調理師の人だったので、多くのことを学べました。

その次にやったのが、水泳のコーチのアルバイトです。実は自分は、人前に立って話すのがものすごく苦手だったんです。ですが、管理栄養士になったら栄養指導なども行わなければなりません。でも、それがとてつもないほど苦手だったんです。だから抵抗もあったんですが、経験のためだと思って、踏ん張ってやろうと思いました。

――― アルバイトをする上で心掛けていたことはありますか?

余裕を持ってバイトを入れることです。実は最初のアルバイトのときは、テスト前には休みをもらっていましたが、入れ過ぎていたんです。そのアルバイトをやめたのは、実習などの準備の時間が欲しかったからですが、やめてから気がつきました。授業を受けているときに、集中できる度合いが違っていたんです。自分の体のことを知ってからは、余裕をもって休みをもらうなど気をつけるようになりました。優先順位としても、今のバイトよりも、今後のことだと思いましたし。

――― この学科に入って良かったと思うことはありますか?

この学科は勉強が大変だと思うんですけど、勉強するときに友達と一緒にやって、「がんばろう」っていう雰囲気が好きですね。最初は自分ひとりでやって、あとで友達と問題を出しあう。ある程度みんな勉強してから問題を出しあうことで、「あれ、そこ俺こんなにやってないな」というのを友達から気づかせてもらったりします。お互い、穴が開いている場所をカバーしあう感じです。

――― 他に勉強について意識していることはありますか?

これに気がついたのは最近なんですが、管理栄養士の勉強は水泳の個人メドレー(※4種目を一人で順番に泳ぎ、全体のタイムを競う競技)に似ているような気がします。

個人メドレーで4種目をやっていると得意な種目と不得意な種目とに別れるんですが、得意な種目の方がタイムをさらに伸ばしやすいかというとそうでもなくて。苦手な種目を鍛えて伸ばした方が全体のタイムにつながることも多いんです。だから、勉強でも苦手なものを克服するというのが成長につながるのではないかと思っています。

これまでも、自分の進路を意識しながら様々なことに取り組んできたという堺さん。今後の展望について聞いてみました。

――― 将来の展望について聞かせてください。

スポーツをやっている人の役に立てればと思っています。自分がもともと、情報はあるけれど、それが本当か本当じゃないのかわからないなということを感じていたこともあって。

そういう気持ちのスポーツ選手は他にもいるんじゃないかと思います。自分が学んで、そういう人たちの役に立てればと思っています。

――― 就職先として選んだのはどのようなところですか?

委託会社を選びました。委託会社を選んだのは、病院や福祉施設など様々な現場に行けるからです。一つ一つの場所で学ぶことが違うので、ステップアップしていけるのではないかと思ったからです。会社は、調理だけでなく栄養指導を行う現場もあるところを選びました。

調理でも大量調理になると普段やっていることと全然違うので、まずは、いっぱい勉強して基礎を固めておきたいです。学んでいく中で機会があれば、いろいろなことに挑戦してみたいと思っています。

――― 最後に、健康栄養学科へ入学し管理栄養士をめざそうとしている皆さんにメッセージをお願いします。

自分の目標のために何をすればいいのかを早いうちから考えると良いと思います。自分の場合は、ためになりそうなことを自分から取り込んでいったので、そういったものを探したり、考えて選んでみたりしてください。

(取材日:2015年9月17日)

石川 恵理(2013年度入学/大学2年生:取材時)

「トキワ・キャンパスアドバイザー(TOKIWA CA)」として、学生の視点から常磐大学や健康栄養学科の魅力を高校生たちに伝え続ける石川恵理さん。高校生たちにもっと自分の将来や進路のことについて考えてほしい、と願う石川さんは、どのように自分の将来を考え、進路を決めたのでしょうか。また実際に健康栄養学科に入って、自分の考えとのギャップを感じたことはなかったのでしょうか。お話を聞きました。

――― 健康栄養学科に入学しようと思ったきっかけは何ですか?

実は私、中学時代から「常磐大学人間科学部健康栄養学科にいこう!」と思っていたんです。中学生の頃から、常磐大学の大学案内などのパンフレットも見ていて・・・そういう意味では、自分の将来のことを考えるなかで、自然に、健康栄養学科への入学を決めたという感じですね。

先日、授業のなかで、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』で管理栄養士の佐々木十美さんが取り上げられた回の番組映像を見ましたが、私が管理栄養士を目指そうと思ったきっかけも、佐々木さんと同様に、母が作ってくれた料理でした。私の母は、前の日の食事で出た料理や冷蔵庫にある食材、余った食材などを使って、さまざまな「リメイク料理」を作ってくれました。私は、そんな「リメイク料理」を美味しく作ってくれる母のことを尊敬していて、いつも、「どうしてこんなに美味しい料理が作れるんだろう?」と思っていたんです。

母はいつも、栄養に関する本を、自分で買ってきて、独学で勉強していました。そして、自分で学んだことを料理に出してきてくれた。そのため家には、食や栄養に関する本が普通にあったので、自然に、食や栄養に対して興味を持つようになっていきました。

なので、中学になって自分の将来に悩んでいたとき、母から「管理栄養士」という仕事を教えてもらって、すぐにその仕事に興味を持ちましたね。中学生のときには、成績も伸びなやみ、部活も上手にいかない時期があったんです。だけど、そんなとき、家に帰ると、母の作ってくれた食事と、栄養に関する本があって・・・、そういう家庭ならではの温かい時間があることが、私にとって、ささやかな喜びだったんです。そういう経験があったからこそ、食や栄養に関する仕事につきたい、とより強く思ったのかもしれません。

――― 管理栄養士という仕事をはじめて知ったとき、どう思いましたか?

まず、「うわー!難しそう!」という感想を持ちました。「こんな細かい計算をするのが、果たして、自分にできるのだろうか」と不安でした。・・・でも、やってみて損はない、後悔はしないだろう、と思いました。

――― 実際に健康栄養学科に入学してみて、どうでしたか?

私は、常磐大学高等学校出身なので、高校生のときから先輩に、健康栄養学科についていろいろと話を聞くことができました。なので、それほど大きなイメージのギャップを感じたことはありません。それでも、医学について学ぶのだと知ったときにはビックリしました。入学前には、食や栄養のことだけを学ぶのだろうと思っていたので、「医療系に進むわけじゃないのに!」と思いましたね。実際、医学に関する内容は、覚えなければいけない内容も多くて、とても苦労しました。臓器の名前や代謝に関する知識など、頑張っても覚えられないことも多かった。テスト勉強も、とても苦労しました。大きなギャップを感じたことといえば、それですね。

でも、2年生以降の授業の中で、医学系の専門用語が何回も繰り返し出てくる中で、なんとなく、授業で学習したことが身についてきている感じがします。それに、医学系の知識が必要であることを実感することも多くなりました。つい最近、献立を立てる課題があったのですが、課題に取り組みながら、やはり人体のことがわかっていることが大切なんだろうな、と思いました。その課題そのものは、特に、病気にかかっている方への献立を立てる課題ではなかったのですが、糖尿病にかかっている人たち、透析を受けている人たちへの献立などを考えようとしたら、病気や人体の知識が必要になるんですよね。だから、難しくても、やるしかない。そう思いました。

――― 健康栄養学科では医学など難しい内容も学ぶのですね。

はい。健康栄養学科で学ぶ内容の中には理解することが難しいものもあり、学ばなければならない内容もたくさんあります。ですので、大変なところもありますが、そういう状況を学科の友達全員が共有しあっているので、周囲にいる友達がいろいろ助けてくれます。「みんなで分担しよう」と言い合って、テスト勉強のために、分担して内容を調べて教えあったり、予想問題をつくりあったりしています。友達同士で協力しあわなければ乗り越えられない。でも、その乗り越えられない壁があるからこそ、友達同士の仲が深まる。私は、健康栄養学科には他学科にはない友達同士のつながりがあると思っています。

――― 勉強と自分のやりたいことを両立するために、どのような工夫をしていますか?

勉強とその他のこととの両立を考えるためには、なによりも、空き時間を無駄にしないことが大切ですね。特にテスト期間は、レポートなどの課題とテスト勉強の両方に取り組まなければいけないので、どの課題をどの時間に取り組むか、どの科目の勉強をどの時間に行うかまで、スケジュール帳に書き込んでいます。私自身はスケジュール帳を2冊持っています。ひとつは、月別カレンダーが入った手帳でここにはかなり前から決まっている予定やプライベートの予定などを書き込んでいます。もうひとつは、B6版の罫線ノートで、こちらには授業や学科掲示版などで告知された内容などを書き込んでいます。健康栄養学科は特に、教室の変更や課題などの指示などが出されることが多いので、情報を見かけたらすぐにB6版のノートに書き込むようにしています。

――― アルバイトをすることについて、どのように考えていますか?

アルバイトについては、他の学科とは異なり、両立することがなかなか難しいです。シフト制のアルバイトをする学生もいますが、やはり、どこかに支障が出てきてしまっているようですね。特に1年生のうちは難しいと思います。

私自身は、登録制の派遣アルバイトに登録しています。シフト制のアルバイトの場合、入らなければいけない日時が否応なく決まってしまうのですが、登録制の派遣アルバイトであれば、都度連絡をもらったあとに、仕事をするかどうかを決められるので、比較的スケジュールを自由にすることができるというメリットがあります。健康栄養学科での勉強もしたいし、自分自身で他にやりたいこともあるので、シフト制のアルバイトに従事するのは難しいかな、と思っています。

――― 最後に、健康栄養学科への入学を考えている高校生にメッセージをお願いします。

健康栄養学科に入学しようか迷っている高校生の皆さんには、ぜひ少しでもいいから、自分がどのようになりたいのか考えてほしいと思います。自分では、少し難しいかな、と思ってもあきらめないことが大切だと思います。

健康栄養学科では、誰もが、同じスタート地点に立って、勉強を進めていきます。学科の友達同士で協力しながら勉強をしていくので、他学科にはない友達同士の団結力があります。たしかに、健康栄養学科での学ぶ内容には難しいものもありますが、たくさん知識を身につけることで、体や栄養についての見方が変わっていくことは、楽しいです。努力すれば、必ず、自分にかえってきます。そんな健康栄養学科で、ぜひ、私たちと一緒に、「食のプロ」を目指しませんか?

(取材日:2014年9月27日)

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