学部学科の変遷

常磐大学の起源は、諸澤みよが1909年11月に水戸馬口労町に開いた裁縫教習所に遡ります。

諸澤みよは1887年に現在の水戸市に生まれ、女性たちの自立を願い、実学を重んじる教育を推し進めました。

常磐大学は、その精神を受け継ぎ、1983年に開設されました。

開設当初は人間科学部の人間関係学科・コミュニケーション学科の1学部2学科からスタートしましたが、2023年の創立40周年を迎え、3学部9学科へと成長し、さまざまな専門分野で未来を拓く学生たちを育成しています。


学部学科変遷図

人間科学部

常磐大学(以下「本学」という。)では、既存の学術研究領域の枠にとらわれることなく、社会における諸問題を解決することができるような学問を「実学」として捉えています。自然科学の発展にともない、今日の社会において生じる諸問題のなかでも、とりわけ人間に関する科学の立ち遅れが認識されるようになってきました。そこから、新たな視野に立った高次・広域的な、すなわち総合的・実践的な人間に関する研究・教育を目指し、1983年4月に本学は水戸の地に先進的な人間科学部という単一学部に人間関係学科とコミュニケーション学科の2学科を置くというかたちで開学しました。特にコミュニケーション学科は、我が国では前例のない学科でした。以後3回の学科等の改組を経て、2008年に5学科(心理学科、教育学科、現代社会学科、コミュニケーション学科、健康栄養学科)となり、現在に至っています。

心理学科

心理学科は、2008年4月に人間科学部に設置されました。

学科のルーツ・変遷・歴史、設立の経緯等

2004年に人間関係学科の心理学専攻と教育学専攻を統合して心理教育学科となり、基礎・応用心理学コース・カウンセリングコース・教育学コースが設けられました。教員は、基礎・応用系が5名(感覚、知覚、行動、認知、産業または環境)、臨床・発達系(臨床、パーソナリティ、発達)が5名と、心理学の各専門領域を広くカバーする充実した配置となっていました。

変化の大きい現代社会に山積する人間の問題に対応するには、心理学の役割が大きいことから、より専門的に心の解明に取り組む人材を育成するため、心理教育学科を改組して、2008年4月に人間科学部に心理学科が設置されました。さらに、新たな国家資格の公認心理師資格に注目が集まる中、1989年に設置された人間科学研究科人間科学専攻修士課程と連携し、2018年から公認心理師カリキュラムを開始しました。

学科の現在

現在、心理学科では次の2つ方針に基づいて、学生が自信と希望を持って活躍でき、社会のニーズにも応えられる人材を育成しています。

第一の方針は、基礎・応用系心理学の学びを通して、人間の「心」に科学的な視点からアプローチし、さまざまな思考や行動の心理メカニズムを探究することです。これらの学びは高校で必修化された情報の授業とも連携する内容です。学生の8割が目指す一般企業において、人的サービス設計、製品設計の分野で活躍できる人間中心設計スペシャリストとなれる基礎力をつけるものでもあります。コロナ禍のオンライン教育環境の導入を機に、卒論発表会をメタバース上で実施するなど、社会のデジタル化に対応するスキル教育も進めています。

第二の方針は、実践的な臨床心理学教育を通じて、多くの人々が心理的問題を抱える現代において、その解決に役立つ人格とスキルをもった人材を育成することです。大学院と連携した公認心理師カリキュラムに沿って、児童指導員、公認心理師・臨床心理士の資格取得の基礎となる学習をすすめ、医療・福祉・司法・教育領域で活躍できる基礎力を養うことに力を入れています。卒業生は県の児童相談所、県内の医療機関、児童養護施設などで公認心理師として活躍中です。


【3年生&4年生ガイダンス】実験実習オールA成績取得者&学科長賞授与(2015年4月)


基礎・応用心理学実験実習発表会(2015年7月)


卒業研究発表会(2016年1月)

教育学科

教育学科は、2008年4月に人間科学部に設置されました。

学科のルーツ・変遷・歴史、設立の経緯等

教育学科は、心理教育学科を改編する形で2008年に設けられ、幼稚園教諭と小学校教諭の教員養成課程が新たに置かれました。2013年には、幼稚園教諭と小学校教諭の教員養成課程を置く初等教育コースと、中学校社会科教諭と高等学校地理歴史科教諭の教員養成課程を置く中等教育コースの2コース制としました。2016年10月には本学に茨城県内の私立大学としては初となる教職センターが設置され、以降は教職センターと連携しながら教員養成を行っています。2017年には、初等教育コースが40名から50名へ、中等教育コースが10名から16名へ、定員を増やしました。2018年には、総合政策学部・看護学部の教職課程認定に併せて科目を一部変更し、2019年には教育職員免許法と同施行規則の改正に伴う再課程認定に併せ、教員育成指標や単位制度の実質化に対応したカリキュラムとしました。

2022年にはICT教育に対応した科目を新設し、2023年には教職課程認定基準の改正による義務教育特例を適用して、小学校教諭の教員養成課程と中学校教諭の教員養成課程の間で科目の共通化を図ったカリキュラムとしました。

学科の現在

教育学科では、幼稚園、小学校、中学校、高等学校の教員養成を主たる目的としつつ、教育に関する知識や技能を必要とする幅広い分野の人材を育成しています。変化の激しい時代にあって、教育に求められる役割はますます多様化・複雑化してきました。教育学科では、教育に携わる者として求められる力量を確実に修得することができるよう、特色ある取り組みを行っています。

第一に、実践的に学ぶことを重視しています。教育実習だけではなく、1年生から学校インターンシップを取り入れ、4年間を通して学校現場に関わりながら学べるカリキュラムを編成し、理論と実践を往還しながら教育の本質に迫っていきます。

第二に、現代的な教育課題や地域の教育課題に目を向けることを重視しています。AIやロボット開発の進展、自然災害の激甚化、少子高齢化の急速な進行などによって地域・日本・世界が抱えている教育課題とその解決策を考え、「課題解決力のある人材を育てる力」を修得していきます。

教育における不易と流行を見極めながら、「これからの時代に求められる教育とは一体何か」を考え続けることができる人材を輩出すべく、教育学科では、引き続き社会の変化に柔軟に対応した教育を行っていきます。


教育学科ゼミフェス(2023年9月)


「小中教育実習(事前事後指導を含む)」の授業風景(2023年9月)


初等音楽科指導法(2023年)

現代社会学科

現代社会学科は、2004年4月に人間科学部に設置されました。

学科のルーツ・変遷・歴史、設立の経緯等

1983年に設置された人間科学部人間関係学科社会学専攻(入学定員40名)はその後、2008年の学科再編により、現代社会学科(入学定員80名)となり、2017年から入学定員90名を変更し、現在に至っています。

学科の教育課程は、日々変化する「現代社会」に対応し、「時代の声に応える」ベく、拡充を図ってきました。社会学専攻時代(1993年度)の「社会学に関する科目」は19科目が配置されているが、現在カリキュラムでは、「学科専攻科目」として66科目が配置されています。時代の要請に基づき、たとえば1996年度のカリキュラム改正では、新たに「災害社会学」「環境社会学」「保健・医療の社会学」などが、2022年の改正では、「エスニシティの社会学」「テクノロジーの社会学」「ライフコースの社会学」などが追加されています。現代社会学科のカリキュラム上の特性は、次の3点です。第1点目が開学時から設置されている社会調査実習を中心とした社会調査教育です。開講初年(1985年)の長野県信州新町、以降、調査実習を積み重ねています。第2点目は、応用社会学のうち、地域社会学系科目の重点配置で、3点目が、狭義の社会学のみならず、関連する諸分野・学際的分野の積極的な組み入れです。

なお、開学時には、専任教員1名の配置のみではじまった社会学専攻は、学年進行とともに1名ずつ着任していき、1986年の大学の完成年次に4名の教員定数を満たしました。現在の教員配置は11名となっています。

学科の現在

人間科学部現代社会学科は、1983年の本学開学時に設置された人間科学部人間関係学科社会学専攻をその前身とし、現在、入学定員90名、専任教員11名で構成されています。2022年度から教育課程を大きく変え、学科専門科目を、「方法論・データサイエンス」「家族・福祉社会」「公共・地域社会」「文化研究」の4領域に整理し、各領域には、社会学のほか、社会福祉学、社会人類学、地理学、歴史学など、社会学の隣接領域も配置し、学生個々の興味関心および進路選択に応じて、学際的・複合的に学修するプログラムを提供しています。このうち「方法論・データサイエンス領域」には、新たにデータサイエンス系の科目群を配置し、既存の社会調査系科目と併せて履修することによって、現代社会に必要とされる数的思考力を持った人材を養成することが期待されています。また、社会調査士資格(社会調査協会)に加え、2023年度入学生から地域調査士(日本地理学会)の資格取得も可能となっています。

2022年度卒業生の主な進路は、茨城県庁、茨城県警察、笠間市役所ほか自治体職員、(株)常陽銀行、いばらき広域農業共済組合、水戸農業協同組合ほか単位農協、日本赤十字社などとなっています。


社会調査実習 宿舎での調査票の整理と取りまとめ(1990年代)


社会調査実習の集合的面接調査(高萩市下君田地区)(2009年7月)


卒論中間報告会(2023年7月)

コミュニケーション学科

コミュニケーション学科は、1983年4月に人間科学部に設置されました。

学科のルーツ・変遷・歴史、設立の経緯等

コミュニケーション学科の歴史は、本学の歴史そのものです。本学の開学までは、日本でコミュニケーションを学べる学科といえば、ジャーナリズム色の強い新聞学科でした。しかしながら、コミュニケーション学科の設置にあたっては「人間や社会をコミュニケーションという視点から見直し、そこからマス・コミュニケーション等へとつなげていく」という全く新しい発想からカリキュラム編成がなされました。これは、従来の学科を改組するのではなく、新たに設置するというかたちをとったからこそ実現しました。学科の設置以降は、時代の変化に歩を合わせるように、カリキュラムの編成が重ねられてきました。1987年までのカリキュラムはメディア研究の色が濃かったものの、1996年からは「対人コミュニケーション」「マス・コミュニケーション」の2コースを設けて、より総合的にコミュニケーションについて学べるようになりました。2004年には、対人コミュニケーションとマス・コミュニケーションを統合した「コミュニケーション学コース」と、テクノロジーの進展に鑑みた映像制作やウェブプログラミングなどを学ぶ「メディア表現学コース」が設置されました。さらに2017年には、従来の科目を「メディア・コミュニケーション領域」と名称変更し、異文化志向・国際志向を反映した「グローバル・コミュニケーション領域」が加わりました。そして、2022年からは「文化交流」をキーワードとしたカリキュラムへと改訂され、現在に至っています。

学科の現在

コミュニケーション学科では「コミュニケーション」を冠した日本初の学科であるという伝統をベースに、情報通信技術やAI、言語、メディア文化、デザインといった先進的なカリキュラムを編成しています。

現在のコミュニケーション学科の教育研究上の目的は次の通りです。

  1. 社会の中で豊かな人間関係を築く能力(ヒューマン・リテラシー)および最新の情報環境のもとで情報を活用し創造する能力(ICTリテラシー)、ならびに国際化する社会で活躍できる英語コミュニケーション能力を備えた人材を養成する。
  2. 人間関係および社会の成立に不可欠なコミュニケーション、多様な文化や考え方、英語の構造、国際コミュニケーション手段としての英語について、科学的に探求するための教育研究を行う。

これらの目的を達成するために、コミュニケーション研究の基礎(SNS、マスコミ、社会心理学)、文化の表現と発信(WEBデザイン、グラフィックデザイン、映像)、英語と英語教育(アメリカ文学、イギリス文学、英語学)、言語コミュニケーション(日本語教育、異文化理解、機械翻訳)、地域研究などの関連科目(観光、国際政治、アジア研究)という5つの領域を横断しながらバランスよく知識を吸収し、「文化交流」を通じて多様な文化的背景を持つ人々と未来の社会を共創することが可能な人材育成を実践しています。


小佐原ゼミ 那珂湊での「MMM展」(2022年8月)


小佐原ゼミ ひたちなかプロジェクションマッピング(2023年11月)


ウクライナからの留学生の話を聞く会(2023年10月)

健康栄養学科

健康栄養学科は、2008年4月に人間科学部に設置されました。

学科のルーツ・変遷・歴史、設立の経緯等

健康栄養学科は、常磐短期大学生活科学科食物栄養専攻の40数年の歴史と実績を引き継いでいます。

常磐短期大学では開学以来、栄養士の養成を行ってきました。社会に出て即戦力となる栄養士を多く輩出し、茨城県内で最も伝統のある栄養士養成校として、地域の健康づくりに貢献してきました。時代は21世紀になり、栄養士には医療チームや保健チームの一員としての医学的知識や、研究能力が求められるようになりました。より高度な専門教育や幅広い教養教育を行うには、管理栄養士課程の4年制教育が必要となります。そこで短期大学の生活科学科食物栄養専攻を発展させ、2008年に本学人間科学部に健康栄養学科を設けました。時代の要請である健康栄養学のエキスパートを育成し、管理栄養士国家資格を取得できる学科として新たなスタートを切ったのです。4年間を有効に活用し、人間科学部健康栄養学科ならではの人間を知る科学教育が行われることが特徴で、短期大学時代からの志を継ぐ学生たちが、カウンセリング能力やコミュニケーション能力を持つ管理栄養士に育っています。

学科の現在

現在の健康栄養学科の教育研究上の目的は次のとおりです。

生活習慣病を予防することは健康寿命の延伸の観点より非常に重要なことです。国民の健康の維持増進、疾病予防に努めることは管理栄養士の義務であり、個人または集団に対して適正な栄養管理に努めなければなりません。管理栄養士の役割は増々大きく重要となってきており、今後より高度な知識及び技能が要求されます。そのために、より資質の高い管理栄養士の養成を行う必要があります。本学においてもより高度な教育に乗り遅れることなく管理栄養士養成教育を実行していかなければなりません。

また、近年の日本の栄養問題や実態を正確に把握し、科学的な根拠に基づいた栄養管理、栄養教育ができる人材の育成を行います。仕事に際しては、研究テーマを持ってあたり、データを蓄積し、学会や研究会などでその成果を積極的に発表し、社会に貢献する育成は今後の社会において責務と考えられます。そのためには、高い情報処理能力等を身につける指導が重要です。それらによって自信をもって栄養指導を行うことができ、また世界にも目を向け、外国の管理栄養士と対等に討論できる国際感覚を身につけられる指導が必須です。

また、仕事を進めていくには、各職域の一員として参画をするためにも医師、看護師、薬剤師と協力する医療の現場でのNSTチームをはじめ、専門知識が身に付く教育指導に取り組むことが非常に重要です。

健康や生命にかかわる栄養の専門家養成として、最終目標である国民の健康の維持・増進およびQOL向上の達成に努められる実践的能力を持てるよう教育研究を行います。


「微生物学実験」授業風景(2020年10月)


授業風景


いばらきの地魚project商品開発 サバカレー&サバトマト(2021年6月)

総合政策学部

2017年4月に、経営学科、法律行政学科、総合政策学科の3学科で設置されました。設立の目的総合政策学部は2017年、それまで本学に設置されていた国際学部とコミュニティ振興学部を発展的に統合し、経営学科、法律行政学科、総合政策学科の三学科体制で設置されました。総合政策学部は、本学が築き上げてきた「実学教育」と「人間教育」をさらに充実させるだけでなく、実社会との直接的な関係を想像することにより、現代社会が直面する諸問題に、学際的・総合的な観点から取り組み、幅広い観点から知識を蓄え教養を高めることで社会を客観的に見渡し、正当に評価できる能力を養うとともに、問題解決に向けて具体的な提言・提案のできる人材の育成を目指しています。

経営学科

経営学科は、2017年4月に総合政策学部に設置されました。
学科のルーツ・変遷・歴史、設立の経緯等

2017年、経営学科は総合政策学部の開設に伴い、国際学部より引き継がれました。経営学科においては引き続き国際感覚に優れたビジネスリーダー、企業や地域社会に貢献できるリーダーシップの養成を目指すこととなりました。また国際学部に所属していたときと同様、経営学科は「経営・マネジメント分野」「商業・マーケティング分野」「財務・会計分野」から目的や進路にあった学びを選べることや、1年次から演習科目を配置し、企業のリアルな情報やビジネスの現場に触れる機会を設け、授業で学んだ理論や知識をさらに発展させていくことを学びの特色として再出発することとなりました。

学科の現在

経営学科では様々な活動を通じて、知識とリーダーシップを兼ね備えた企業に求められる人材の育成に取り組んでいます。例えば、毎年夏に行われる学校法人常磐大学と水戸ホーリーホックのコラボデーは、2年生が立案する企画が実施されています。3年生の「ビジネス専門演習」には、a~dの4コースにて専門的で実践的な学修がなされます。aコースでは「ビジネスアイデアコンテスト」を開催し、地元の企業の経営者や産業界の方を審査員に独自のビジネスアイデアを発表して優勝チームを決定します。bコースでは水戸京成百貨店と協同した販売促進プロジェクトを実施します。cコースではビジネス会計検定に挑戦した後、上場企業の経営分析に取り組みます。dコースでは水戸と東京を拠点とする先進的なICT企業と連携し、ICTを活用したマーケティングの実際的な知識を学びます。

また、ゼミナール研究も活発です。例えば金融論を研究するゼミナールでは毎年日銀グランプリに参加し、複数回にわたり入賞するなど大きな成果を挙げています。マーケティング論のゼミナールでは商品開発アイディアの考案や様々なマーケティング実践に取り組んでいます。国際経営論のゼミナールでは例年ゼミ学生が世界の多国籍企業の経営史、戦略・組織を研究し、「ときわ祭」の場で研究発表を行います。


水戸ホーリーホックとのコラボデー 集客増加project(2022年7月)


「第18回 日銀グランプリ」決勝大会 敢闘賞(2022年11月)


2022年度ときわ祭 菅田ゼミナール3年生の研究発表
「国際航空会社の経営基盤:JALの成長・破綻・再生の分析」(2022年10月)

法律行政学科

法律行政学科は、2017年4月に総合政策学部に設置されました。

学科のルーツ・変遷・歴史、設立の経緯等

本学は国際学部とコミュニティ振興学部を改組転換し、2017年、「法的思考を身に付け、豊かな社会づくりに役立てる」人材を育成することを目標として法律行政学科を設置しました。法律行政学科では「法を学ぶことで、現実の問題の合理的解決法を模索するリーガルマインドを身に付け」、「安心安全な社会を実現する方策について深く学び」ます。

総合政策学部発足にあたり、学長が法律行政学科に所属し、学科教員から学部長を輩出するなど全学・学部を先導する役割を果たしました。新しい学科でしたが、その活動が徐々に認められ、法律と行政に関心を持つ多くの入学者が集うことになりました。

教員の構成はコミュニティ振興学部、人間科学部現代社会学科からの移行した教員を中心に、発足当初から行政系及び公安系公務員の養成をメインにしたカリキュラム構成をとっています。行政系公務員については元県庁職員で県総合計画審議会会長も務める実務家教員が、公安系公務員については刑事政策が専門である教員が、授業のみならず外部講師による講演やシンポジウムの開催など、学生が主体となった情報発信も積極的に行い、当初の目標どおりに就職面においても輝かしい実績を残しています。

学科の現在

法律行政学科の学びの特色は、次の3点です。

  1. 法律・行政・社会安全分野をバランスよく学ぶ
  2. 自治体との連携で臨場感ある体験授業
  3. 現場を熟知した教員の公務員養成プログラム

1.では、法律と、国や地方自治体などの組織・制度に関する科目と、他大学ではあまりない社会安全を守る科目をバランスよく学びます。

2.では、第一線で活躍する自治体職員・議員の講義や自治体等へのインターンシップ、さらには、社会安全を学ぶための現地調査、防災施の見学など、自治体との連携授業が盛んです。

3.では、勉強会や模擬試験など、希望分野の進路に合わせたサポートで、警察・消防や、県・市町村の職員、将来の夢を叶えます。

就職サポートとして、行政系公務員(県・市町村一般行政職など)では、実務を熟知した教員から直接指導を受けられます。さらに、県議会との連携協定に基づく議会での学生のプレゼンの機会、首長・議員・職員を招いたシンポジウムなどを開催。あらゆるテーマについて職員と学生が意見交換をして、自治体行政部門の実務に即した形で自治体行政を学びます。公安系公務員(警察官、消防官など)では、少年法や犯罪学などの関連科目が充実したカリキュラムのほか、授業時間以外でも公務員試験に向けた勉強会を実施。警察官採用試験を想定した模擬試験も定期的に取り入れております。また、卒業生である現役警察官による講話の機会もあります。


茨城県青少年健全育成審議会での意見交換(2023年2月)


茨城県議会の「ケアラー支援条例」に関する意見交換会(2021年11月)


地方自治向上プロジェクト(2023年1月)

総合政策学科

総合政策学科は、2017年4月に総合政策学部に設置されました。

学科のルーツ・変遷・歴史・設立時の経緯等

総合政策学科は、コミュニティ振興学部コミュニティ文化学科と同学部地域政策学科の流れを組み、学際的・総合的観点から、地域の官民の諸機関において、地域社会が直面している諸問題に取り組み、その具体的な解決策を提示することのできる人材を養成するとして設立されました。学科の学びの基礎となる「学科基本科目」と「政治行政分野」・「経済経営分野」の2分野で編成した科目に加え、応用分野として「地方創生」・「観光」に関する科目を配置しました。ゼミナールは2年次の春セメに基礎ゼミナール、2年次の秋セメからそれぞれの学生が選んだゼミナールに所属して、4年次の卒業論文まで一貫して学びます。

学科の現在

総合政策学科(以下「本学科」という。)では複眼的な視野と企画力・論理的思考力を養い、地域活性化を実現する人材の育成に取り組んでおります。「政治行政」、「経済経営」の2分野に加えて、「地方創生」、「観光」科目の履修ができ、政策科学の基礎を身につけたうえで、市民・公務員・企業人の立場から地域を活性化させる政策提言ができる能力を養成します。

本学科の人材養成を達成するために、それぞれ専門性を持つ教員が自身の専門性に基づいて学外授業を展開し、多角的な学習を行っています。2年次の春セメには、「基礎ゼミナール」、「公共政策」、「まちづくり論」の3科目を連続する時間で開講することで、学外授業の時間を確保して水戸市近隣の地域に出てまちづくりを学びます。また、ゼミナールでは地域と連携し、政策提言や地域活性化の活動に参加しています。講義だけではわからないそれぞれの分野の現場を体験することで、政治行政や地方創生、観光についてのより具体的な知識を獲得し、将来の職業選択にも繋げることができます。

また、本学科のデジタルアーキビスト受験資格課程では、情報社会における文化活動を支える専門職として、文化活動の基礎としての文化芸術、著作権・プライバシー等を理解し、文化資料のデジタル化による総合的な文化情報の創造、保護、管理、流通利用を担当できる人を養成します。


3科目合同学外授業の桜川市真壁実踏にて(2022年6月)


笠間市長との意見交換会(2022年12月)


デジタルアーカイブ実習でのドローンを使った空撮演習(2023年10月)

看護学部

看護学部は、2018年に看護学部に設立されました。

看護学科

看護学部看護学科は、2018年に設立されました。教育理念として、「生命と人間の尊厳を尊重する倫理的態度を基盤として、人々の多様な健康ニーズに対応できる柔軟な思考とグローバルな視野を持ち、健康と生活の質の保持増進に貢献するとともに、主体的に行動し問題解決できる専門的知識と実践的な技術を有し、生涯にわたり現状を改善できる姿勢を持った看護系人材を養成する」ことを掲げています。併せて、有為な人材を育成することで、地域社会に貢献し、質の高い看護サービスの提供と医療の向上に資することを目的としています。

学科のルーツ・変遷・歴史、設立の経緯等

本学は、これまで蓄積してきた教育の基盤を活かし、茨城県が抱える喫緊の課題である看護職者不足とその養成に向き合い、医療・保健・福祉・教育が充実した地域社会の創生と地域医療充実を図るため、水戸医療センターが公募した「独立行政法人国立病院機構水戸医療センター敷地内の土地・建物を活用した看護大学及び看護大学院の設置・運営事業」に応募し、2015年11月に事業受託者として決定しました。以降、水戸医療センター・桜の郷看護学校・本学のメンバーで構成される連絡協議委員会を組織し、また、学内に将来計画準備室を置いて運営について検討・準備を進め、2018年4月に看護学科(入学定員80名)を開設しました。

学科の現在

看護学科の教育研究上の目的は、次のとおりです。

  1. 保健・医療・福祉・教育の視点から、専門職間協働の精神を持ち、地域の人々が直面する健康課題の解決に貢献できる人材を養成する。
  2. 現代における医療・看護等の仕組みと社会の健康に関する諸問題を理解し、その解決および改善に向けた実践能力を持てるよう教育研究を行う。

「人と家族中心にケアする力」「多様な価値観を理解する力」「チームで協働する力」「問題解決し現状を改善する力」「根拠に基づいた実践力」「グローバルな視点から思考する力」「進歩するテクノロジーを積極的に活用する力」「内省する力」「学修を継続する力」の9つのコンピテンシー獲得を目標としたカリキュラムを展開し、茨城県内の国立病院機構3病院との連携のもと、変化する社会のなかで健康課題の解決に寄与できる看護職者を育成しています。

卒業した1・2期生のうち、約8割が茨城県内に就職・進学し、看護師、保健師、助産師、養護教諭として活躍しています。

2022年4月には、看護学研究科修士課程を開設し、「次世代型保健医療人」としての看護系高度専門職業人の育成を目指しています。


3年生宣誓式(2023年5月)


『看護課題の探究(学校保健)』(2023年)


『新生児の沐浴演習』(2023年)

国際学部

国際学部は1996年4月に設置され、2017年3月に学生募集が停止されました。当初、国際協力学科、国際ビジネス学科の2学科が設置され、2004年4月に両学科を国際関係学科として統合し、英米語学科が新設されました。そして2008年4月に国際関係学科を改組し経営学科が設置されました。

英米語学科

英米語学科は2004年に設置されました。

学科のルーツ・変遷・歴史、設立の経緯等

国際学部では設置当初より国際化を強く意識していました。そのため国際語である英語の能力を養うことに特化した学科の設置が望まれていました。そこで国際協力学科と国際ビジネス学科の統合に合わせ、英米語学科を設置しました。

英米語学科では語学教員として活躍できる実力を習得することが目標に掲げられ、特に幼児・児童を対象とした語学指導者養成に取り組みました。また、教育の場に限らず、社会で必要とされる英語でのコミュニケーション力を養うことに注力しました。

2017年3月に学生募集を停止後、学びの一部は人間科学部コミュニケーション学科に引き継がれています。


授業風景(2013年5月)

経営学科

経営学科は2008年に設置されました。

学科のルーツ・変遷・歴史、設立の経緯等

1996年に設置された国際協力学科と国際ビジネス学科が2004年に国際関係学科に統合され、のち2008年に経営学科に改組されました。こうしたルーツを持つ経営学科では、国際的な活動を意識した科目も用意され、実践的なカリキュラムとなっています。

国際学部経営学科は2017年の全学的な改組により、総合政策学部経営学科に引き継がれています。詳しくはそちらの記載をご参照ください。


「国際学部ビジネスアイデアコンテスト」の中間報告会(2011年7月)

コミュニティ振興学部

コミュニティ振興学部は2000年4月に設置され、2017年3月に学生募集が停止されました。2000年にはコミュニティ文化学科、ヒューマンサービス学科の2学科が設置され、2006年に地域政策学科が設置されました。

コミュニティ文化学科

コミュニティ文化学科は、2000年4月にコミュニティ振興学部に設置されました。

学科のルーツ・変遷・歴史・設立時の経緯等

コミュニティ文化学科は、地域文化・ミュージアム、環境、生涯学習などをテーマとし、新しい文化を創造できる・地球にやさしい・生涯にわたる学習を支援する、といったまちづくりや地域活性化を提案・実行できる人材を養成するとして設立されました。2006年の地域政策学科の設立の際に環境分野を地域政策学科に移し、デジタルアーカイブと文化情報分野が追加となりました。2017年の募集停止後は、コミュニティ文化学科の学びの一部が総合政策学部総合政策学科に引き継がれています。

学芸員と社会教育主事の2つの国家資格の養成課程を持ち、多くの資格取得者を育成しました。2017年の募集停止後は、2つの国家資格は全学資格となり、人間科学部、総合政策学部で取得可能となっています。


ミュージアム実習展示風景 A棟地下展示室(2009年9月)

地域政策学科

地域政策学科は、2006年4月にコミュニティ振興学部に設置されました。

学科のルーツ・変遷・歴史・設立時の経緯等

地域政策学科は、ふるさとと地球に深い愛情を持ち、ひろい視野からふるさとの未来をデザインできる人材を養成することを目的として設置されました。地域社会との交流を中心に、市民や行政、NPOなどの力を合わせて、課題解決に取り組む資質を磨くため、実践を重視した教育を展開しました。カリキュラムは「政治行政」と「都市・環境」の2つの科目群で構成され、グループワーク、フィールドワーク(野外実習)、プレゼンテーション、ディベート演習など学生主体の問題解決型の演習を通じ、政策立案能力を育成し、地域社会に貢献することを重視しました。2017年の募集停止後は、地域政策学科の学びの一部が総合政策学部総合政策学科と同学部法律行政学科に引き継がれています。


参院選に関する砂金ゼミの取り組みがメディアで紹介(2013年7月)

ヒューマンサービス学科

ヒューマンサービス学科は、2000年4月にコミュニティ振興学部に設置されました。

学科のルーツ・変遷・歴史・設立時の経緯等

ヒューマンサービス学科では、茨城という地域を大切にしながら、世界の動向も視野に入れた多角的なライフデザインの力を身につけた福祉社会を創造する地域の担い手を養成するとして設置されました。カリキュラムは、社会福祉・臨床心理・ボランティア市民活動の3つの科目群で構成され、地域の福祉課題を発見・解決するための総合的な実践力を身に付けます。2017年の募集停止後は、ヒューマンサービス学科の学びの一部が人間科学部現代社会学科に引き継がれています。

社会福祉士国家試験受験資格の養成課程を持ち、多くの資格取得者を育成しました。2017年の募集停止後は、人間科学部現代社会学科の資格となっています。


オープンキャンパスでの模擬授業風景(2006年10月)