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総合政策学科ニュース

ホーム > 総合政策学科ニュース > ~あの先生とお話ししてみた!~ ② ―前編―

~あの先生とお話ししてみた!~ ② ―前編―


みなさん、こんにちは。総合政策学部 総合政策学科の 板垣 です。

まだまだ暑い日々が続いております。
熱中症には十分にお気を付けくださいね。

さて、「あの先生とお話ししてみた!」シリーズです。 本学科に在籍している先生に直接話を伺って、先生がたの魅力に迫ろうとする本企画。

第二弾は 正木 聡 先生です。 
観光学がご専門です。

今回は前編・後編の二部構成となっております。
前編では、観光学についてお伺いしました。
「観光学」とは具体的に、どのようなことをするのでしょうか?ズバリ聞いてみました。

正木先生、どうぞよろしくお願いします!

1.これって観光?

板垣(以下、板):学問としての「旅行」「観光」とは、どのようなことをやるのでしょうか?さすがに体験記や日記というわけではないですよね?笑

正木聡先生(以下、正):そうですね、例えば、「旅行する時の動機が何なのか?」がありますよ。

板:動機・・・、つまりはきっかけですか?

正:ちょっと面白い話があります。
以前、私の授業を受講した学生の中に、某アイドルが大好きな子がいたのです。
その学生は、ライブを見るためだけに札幌まで行ったそうです。

板:おぉ~、熱い子だ~!!

正:ところが、当の本人は旅行しているなんて思っていなかったのです。
「何しに行ったの?」と聞くと、ライブを見に行っただけと答えるだけで、「旅行」とは捉えていなかったのです。

板:遠出をしたのに「旅行」とも「観光」とも考えていなかったと。

正:でも、「札幌ラーメン食べなかったの?」なんて聞くと、『食べました。』と答えるのです。さらに、「お土産か何か買って帰らなかったの?」と聞くと、『買いました。』と。そして、「せっかく札幌へ行ったのだから、どこか見に行かなかったの?」と聞くと、『時計台に行きました』と返ってくる。

板:あれれ?? ちゃんと観光している(笑)

正:そうなのです。たしかに、きっかけはアイドルのライブだけど、実はしっかり旅行しているのですよ。

2.「せっかく」だから

板:きっかけは観光名所と関係のないイベントだけれども、実は観光もしている、ということですね。

正:これは、別に彼女だけではないと思うのです。
夜公演のライブが終わると、お腹を空かせた人たちがドドド~って街中に現れて、名物料理店に行列を作る。

板:まぁせっかくですからね笑

正:そうそう!  せっかくだから!  実は、観光しているじゃないかって。
それに、多くの人が現地で一泊します。

板:急いで帰ることがなければ、現地に泊まりますね。

正:さらには、限定商品として、そのアイドルがラッピングされたお土産が売られたりもする。

板:「コラボ商品」なんてありますね。

正:そうすると、その商品はすぐに売れ切れちゃう。

板:ファンがみんな買ってくれるのですね!

正:電車も臨時列車を走らせるくらいの大協賛をすることだってある。
現地の人にとっても、物凄く効果があることを分かっているよね。

3.変わった旅行、変わらない旅行

正:この「せっかくだから」は、昔からあったのです(笑)。

板:え!?そうなのですか?

正:旅をするきっかけで、古くから言われているのは「社寺参詣」。

板:神社やお寺にお参りへ行くのですね。

正:でも、ストイックにお参りだけして帰るなんて人はそうそういなかった。
「せっかくだから」と、名物を食べるし、近くに温泉があれば寄っていく。

板:あ!さっきの学生と同じだ!

正:目的は変わったにせよ、「旅」の形態は似ているのです。それが、時代が進むにつれて、個人的な興味で旅をするようになった。

板:昔は観光名所を巡るところが、個人的に行きたい場所やイベントに参加するようになったわけですね。

正:その代表例として最近注目されているのが、コンテンツツーリズムです。

板:コンテンツツーリズム…??

正:アニメや映画などの舞台へ行き、一種の追体験をする旅行です。

板:あっ、それは僕も知ってます!「聖地巡礼」ですよね!

正:元々は宗教の「聖地巡礼」だった言葉ですが、アニメに縁のある場所にも用いられるようになりましたね。

板:今では、その作品の舞台となった地域の人がアニメを応援してくれる、なんてこともありますね。

正:そうですね。昔なら、オタクを受け入れていなかったかもしれない。
でも、現地の人が暖かく迎え入れようという姿勢を持った地域で成功していますね。茨城県の大洗町が積極的に盛り上げて成功した例ですよ。

板:なるほど~、今度行ってみようかな。
ついでに、大洗の名物も食べなきゃ。「せっかく」ですし!

後編へ続く~