グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


総合政策学科ニュース

ホーム > 総合政策学科ニュース > 開催報告:ときWA!! キャンドルナイトを開催しました

開催報告:ときWA!! キャンドルナイトを開催しました


2025年12月15日から17日の3日間、常磐大学構内にて学祭サークル「TRICOLOR」主催の「ときWA!! キャンドルナイト」が開催されました。

今回は、企画のリーダーを務めた総合政策学科・元木ゼミナール2年生の江原苺花さんに、企画に込めた想いや当日の様子を振り返ってもらいました。

企画の視点:光の温もりを「防災」への架け橋に

本企画は、「災害の風化防止」と「防災・減災意識の醸成」を目的としています。2017年から先輩方が大切に繋いできた活動ですが、実際に準備を進める中で、その意義をどう伝えるべきか最後まで悩み続けました。

「災害復興」や「防災」という言葉は、その重要性は理解していても、経験がなければどこか重たく感じてしまいがちです。そこで私たちは、キャンドルやイルミネーションが持つ「光の温かみ」や「楽しさ」を入り口に、まずは興味を持っていただくことを重視しました。夜を彩る優しい光を通じて、被災地への想いを馳せ、私たちの学びや行動へと繋がる架け橋になりたいと考えたからです。

創意工夫:空を見上げる「バルーンランタン」

例年実施しているキャンドルロードやバンブーランタンに加え、今回は新たに「バルーンランタン」と「紙パックランタン」を制作しました。特に紙パックランタンには「2011」や「3.11」といった文字をデザインし、企画の意図が直感的に伝わるよう工夫しました。近年も国内外で多くの災害が発生していますが、少しでも前向きに、空を見上げられるような願いを込めて「高さ」のある展示としました。当日は想定を上回る多くの方にご来場いただき、特に、バルーンランタンを見上げて目を輝かせる子どもたちの姿が非常に印象的でした。

ワークショップ:ともに作り、ともに考える時間

ワークショップでは、停電などの非常時にも役立つLEDキャンドルを使用し、参加者の皆さんと一緒に「折り紙ランプシェード」や「紙コップランプシェード」を作成しました。

参加者の中には、平和の象徴である鳩を描き入れる方もいらっしゃいました。創作を通じて、楽しみながらも災害や防災について深く考えるきっかけを提供できたのではないかと感じています。

今回の経験を糧に、防災意識を高めていきたいと思います。

【教員コラム】学びの先にある「行動」と「自分ごと化」

総合政策学科:元木 理寿

私の担当する「環境学入門」や「自然地理学」といった講義では、地震や気候などの自然現象から、災害のメカニズム、そして防災・減災に至るまで、科学的な知見を解説しています。しかし、教室での理論だけでなく、今回のキャンドルナイトのような企画を通じて社会の関心を高めることも、学びにおいて極めて重要なプロセスだと考えています。

私自身、2004年頃、「電気を消して、スローな夜を」というキャッチコピーを掲げた「100万人のキャンドルナイト」のイベントへ何度か足を運んだことを思い出します。当時、研究の視点に葛藤し、研究対象としての地域環境だけでなく、人の心を動かす「行動変容」の重要性を強く実感した時期でもありました。

環境を常に意識し、実際に行動へと移すことは、決して簡単なことではありません。しかし、物事を「自分ごと」として捉え、自ら動いてみることで、見える世界や価値観は確実に変化していきます。

今回の学生たちの瑞々しい活動を振り返り、大学における「学び」の本当の意味を私自身も改めて問い直す、良い機会となりました。