グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


総合政策学科ニュース

ホーム > 総合政策学科ニュース > まちを歩き、観察し、見えていなかったものに気づく

まちを歩き、観察し、見えていなかったものに気づく


-水戸市南町三丁目でフィールドワークを実施しました-

 「フィールドワークA(旧カリキュラム:総合政策演習)」(担当者:元木)では、教室を飛び出し、実際に地域を歩き、自分の目で観察し、記録するための基礎を学んでいます。
今年度は5月19日(火)に受講者全員で水戸市南町三丁目を訪れ、観察を中心としたフィールドワークを行いました。1コマ90分という限られた時間ではありますが、商店街と路地を歩きながら、一軒一軒の建物や土地利用を確認する悉皆調査の方法を現地で説明し、学生たちは気づいたことを丁寧に記録しました。

調査にあたっては、最初から対象を限定しすぎず、目に入ったものや気になったものを積極的に記録するよう伝えています。店舗だけでなく、商店街の中に点在する駐車場や住宅、空き地、植物などにも目を向けることで、まちの成り立ちや変化、人びとの暮らしが少しずつ見えてきます。

写真1 水戸市南町三丁目を歩きながら、商店街の土地利用や、まちの変化を示す手がかりを観察しました。

写真2 住宅や駐車場など、店舗以外の土地利用にも目を向け、気づいたことを記録しました。

地域の問題や課題を明らかにすることは、調査の大切な目的の一つです。しかし、その前に、まずはその場所を「丸ごと見る」ことが重要です。目的に直接関係しないように見えるものも含めて観察し、記録する姿勢は、環境、政治、行政、経済、観光、文化など、さまざまな分野の学びに生かすことができます。

近年は、GoogleマップやGoogle Earthに加え、さまざまなデジタル地図や位置情報サービスが普及し、地域の様子を手軽に把握できるようになりました。これらは、調査の準備や地域の空間的な特徴を捉えるうえで、とても有効な手段です。一方で、実際に現地に立ち、自分の目で地域の実態を観察し、気づいたことを記録していく作業には、地図や画面を見るだけでは得られない学びがあります。建物の使われ方、道路や駐車場の状態、植物の樹種や生え方、人の動き、音やまちの雰囲気など、現場に立って初めて意識できることも少なくありません。

歩いて観察し、記録する方法は、一見すると古典的な手法に見えるかもしれません。しかし、デジタル情報が豊富になった現在だからこそ、目の前にある現実を丁寧に確かめることが大切です。現地で得た情報とデジタル地図を照らし合わせることで、地域の実態をより具体的に捉え、そこにある課題へと近づくことができます。
その後、学生たちはグループごとに調査地域を定め、観察調査に聞き取り調査を組み合わせたフィールドワークを進めています。授業時間外にメンバーの予定を合わせ、調査に出かけることは決して簡単ではありません。それでも、同じ場所をともに歩き、それぞれが気づいたことを共有する過程には、一人で行う調査とは異なる学びがあります。

学生たちは現在、現地で得た記録や聞き取りの内容を整理し、今月末の発表会に向けて準備を進めています。まちで見つけたものをどのように整理し、どのような地域の姿を描き出してくれるのか、発表が楽しみです。

また、総合政策学科では5月から6月にかけて、「まちづくり論」(櫃本真美代先生)やゼミナール(何晨先生)でも、水戸市内においてフィールドワークが行われました。教員によって専門分野や着眼点は異なりますが、まちを歩き、現場に立ち、そこで見たものから考えることを大切にしている点は共通しています。

学生の皆さんには、専門分野や自分の関心だけにとらわれることなく、目の前のまちに息づく人びとの暮らしや地域の変化に意識を向けてほしいと考えています。フィールドワークは、地域を知るだけでなく、自分自身のものの見方や捉え方を広げ、現実の課題に向き合うための学びでもあります。

写真3 建物の用途や周囲の景観を確認し、現地でしか得られない情報を丁寧に集めました。

(元木理寿)