画像を使用することは、非常に有効なデザイン手法です。見た目の印象を左右する重要な要因となります。
画像を使用するには、HTMLのimg要素を用いる方法とCSSの背景画像(background-image)を用いる方法の二通りがあります。
画像そのものがコンテンツである場合には、img要素を、装飾用として使う場合にはCSSの背景画像(background-image)を用いるようにしましょう。
また、CSS2では背景画像の拡大縮小ができませんでしたが、CSS3で可能になりました。CSS2.0を使う際には気をつけましょう。
画像練習サンプルファイルで実践してみましょう。今回のサンプルファイルは、CSSをstyle要素に記述しています。「image.htm」をエディタで開いて編集してください。スタイルファイルは使用しません。
まず、img要素の属性について確認しておきましょう。
画像を表示できない環境や検索エンジン対策(SEO)を考慮し、alt属性に代替テキストを指定します。validなHTMLでもalt属性は必須とされています。
alt属性を付けた場合、画像の上にマウスポインタを重ねると吹出しとして代替文字が表示されるブラウザがありますので、吹き出しを表示させたくない場合にはtitle属性に空の文字列「""」を指定します。
画像のサイズを指定するには、下記の二通りがあります。
img要素のwidth属性・height属性でピクセル数を指定すると画像の読み込みを待たずに画面の描画が行えます。しかし、レイアウトや画像の変更の際に、画像サイズを変更する時はHTML文書を変更しなければなりません。
両方指定した場合には、CSSの指定が優先されます。通常はCSSのみで良いでしょう。
画像練習サンプルファイル image.htm 62行目
<img src="tokiwa_title.png" alt="常磐大学" title="" width="325" height="78">
上記例では、代替文字と横幅・高さの設定をしています。
文章中にコンテンツとして図や写真などの画像を入れる場合を考えます。img要素で画像をいれるだけでなく、図の説明など、必要に応じてキャプション(説明書き)をつけたりします。
図とキャプションを合わせてp要素にしたり、div要素でグループ化するのが一般的です。
画像練習サンプルファイル image.htm
<p id="image1">
<img src="illust.jpg" alt="国際学部R棟天井写真" title=""><br>
キャプション
</p>
下記のコードを「image.htm」の56行目の「--></style>
」の前にに挿入してください。
画像練習サンプルファイル image.htm
p#image1 { width:230px;/* 幅指定 */
} p#image1 img { width:230px;/* 幅指定 */
}
画像の幅に合わせてキャプション部分の幅を揃えています。図表タイトルのような短い言葉の場合は「text-align:center
」で中央揃えにするといいです。
上記のp要素に右寄せ(右フロート)のスタイルをつけます。寄せ(フロート)を使うと後に続くものに回り込みが設定されます。
上記のp#image1のCSSを下記に変更してください。
画像練習サンプルファイル image.htm
p#image1 {margin-left: 10px;
/* 本文との間隔をあけるための左マージン */
float:right;
/* 右フロート */
width:230px;/* 幅指定 */
}
floatを指定する際には、必ずwidthで幅指定します。「floatはwidthとセット」と覚えましょう。
また、本文との間隔をあけるために、必要に応じて左右や下のマージンを開けます。
ブラウザの幅を変更してテキストの回り込みの変化を確認してください。
後に続くものを回り込ませたくない場合には、回り込ませたくないものの先頭のものに回り込み解除を指定します。
下記のコードを「image.htm」の「--></style>
」の前にに挿入してください。
画像練習サンプルファイル image.htm
#p2 {
clear:right; /* 右回り込み解除 */
}
上記の右寄せを左寄せに変更せよ。
画像同士など幅が決まっているものが回り込む(横に並ぶ)ためのスペースが足りない場合には、回り込みせずに下に送られます。確実に回り込みさせる場合には、そのための幅を確保する必要があることを覚えておきましょう。
さらにfloatの特性を知るために、上記のスタイルの「p#image1」を「p#image2」、「p#image1 img」を「p#image2 img」に書き換えてみましょう。
二番目の画像が右寄せ(課題をやっていれば左寄せ)になります。ここで注意したいことは、floatを設定した#image2よりも前にあるh2要素はテキストの回り込みの対象になっていない点です。floatは後に続くものを回り込ませるため、HTMLの順序が前に書かれているものに対して回り込ませることはできません。
確認できたら上記のスタイルの「p#image2」を「p#image1」、「p#image2 img」を「p#image1 img」に戻しておきましょう。
ボックスには背景画像が指定できます。画像のURL、繰り返し、配置方法を指定します。
背景画像の指定方法については、右のメニューの「ref:背景」に背景関連の項目があるので、先にそちらを読んでから戻ってきて操作してください。
CSS2では背景画像は拡大縮小できないので、適切な大きさの画像を用意する必要があります。
また、CSS2では一つの要素には一枚の背景画像しか指定できません。画像を重ね合わせる表現を行うためには、複数の要素を重ねる必要があります。
CSS3では拡大縮小・複数枚の背景画像の使用が可能です。CSS3については後に学習しましょう。
背景画像を入れる要素にスタイルをつけます。
下記のコードを「image.htm」の「--></style>
」の前にに挿入してください。
画像練習サンプルファイル image.htm
.textbox { background-image:url(back_check_a_sb.gif);/* 背景画像のURL */
background-repeat:repeat;/* 背景画像の繰り返し */
}
画像練習サンプルファイル image.htm
.labelsilver { background-image : url(bg_label_silver.gif); background-repeat:repeat-x; }
このコードはすでに入力されています。テキストボックス部分の上の青い帯部分です。上下にグラデーションがかかった画像(bg_label_silver.gif)を横に並べています。CSS3なら背景色にグラデーションが使えるので画像は不要です。
下記のコードを「image.htm」の「--></style>
」の前にに挿入してください。
画像練習サンプルファイル image.htm
#contents { background-image:url(bg_g8.png);/* 背景画像のURL */
background-repeat:repeat-y;/* 背景画像の繰り返し */
padding-left:120px;/* 背景画像と重ならないように左枠内余白 */
}
画面左にグラデーションの帯を作っています。これは、背景画像に対して中身を右にずらす必要があるので左枠内余白(padding)を広げています。周辺余白(margin)を広げると背景画像ごと動いてしまいます。
下記のコードを「image.htm」の「--></style>
」の前にに挿入してください。
画像練習サンプルファイル image.htm
body { background-image:url(illust.jpg);/* 背景画像のURL */
background-repeat:no-repeat;/* 背景画像の繰り返し */
background-position:bottom right;/* 背景画像の位置を右下に */
background-attachment:fixed;/* 背景画像を固定 */
}
背景に固定する場合には、他の要素の背景を透過させる方が効果的です。上記の.textboxと#contentsの背景画像を外して確認してください。
見出しなどの文字を画像にすることで、指定したフォントの無い環境でも見た目を同じにすることができます。
見出し部分の背景色と画像の背景色を合わせて(または透過色にして)使用するのも一つの手です。背景色と合わせる場合、画像をJPEG形式で圧縮するとノイズが乗って色が合わなくなることがあるので注意してください。
見出しであることはSEOとしても重要であるため、h1〜h6要素の中にimg要素を入れます。この場合、alt属性が検索結果に影響します。
<h1><img src="tokiwa_title.png" alt="常磐大学" title="" width="325" height="78"></h1>
このコードは入力済みです。
テキストを非表示にして、背景画像だけを表示します。
テキストを非表示にする方法もいろいろとあるのですが、HTMLで文字部分をspan要素にしておき、span要素を非表示にするのが一つの方法です。
下記の赤字部分「<!--」「-->」を修正してください。修正前は下の<h1>が「<!--」「-->」に挟まれています。
画像練習サンプルファイル image.htm
<!--
<h1><img src="tokiwa_title.png" alt="常磐大学" title="" width="325" height="78"></h1>-->
<h1><span>常磐大学</span></h1>
この状態でタイトル部分がただの文字として表示されている筈です。
下記のコードを「image.htm」の「--></style>
」の前にに挿入してください。
画像練習サンプルファイル image.htm
h1 { background-image:url(tokiwa_title.png); background-repeat:no-repeat; width:325px; height:78px; } h1 span { display:none; /* 非表示 */ }
img要素で作成したものとほぼ同様になった筈です。タイトルロゴはコンテンツじゃないので、CSSの背景画像でやる方が望ましいですね。
css Zen GardenのHTMLでも多くの場所で置換用のspan要素が入っています。
見出しの先頭や両脇などに装飾用の画像を入れます。
装飾用画像を入れる要素にスタイルをつけます。まとめて画像を変更する際などには非常に簡単です。
下記のコードを「image.htm」の「--></style>
」の前にに挿入してください。
画像練習サンプルファイル image.htm
#contents h3 { background-image:url(button_e_01.gif);/* 背景画像のURL */
background-repeat:no-repeat;/* 背景画像の繰り返し指定 */
background-position:2px 2px;/* 位置調整 */
}
このままでは画像と文字が重なってしまうので、左余白で調整します。
下記のコードを「image.htm」の「--></style>
」の前にに挿入してください。
画像練習サンプルファイル image.htm
#contents h3 {
padding-left:25px; /* 重ならないように左余白 */
}
CSS2では背景画像は拡大縮小できないため、適切な大きさの画像を用意する必要があります。
cssZenGardenJpn.htmに画像を使ったスタイルをつけよ。画像は著作権に配慮し、自分で撮影したものかフリー素材などを使うこと。
Programming Laboratory (Shio seminar)